「おカネがたくさん貯まる人」になる方法 貯金ができない人には「2つの欠点」がある

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お給料日になったら、貯蓄分は口座に移し、クレジット決算した金額分は口座に残したままにします。毎月少しずつでも貯蓄分が増やせて、必要貯蓄率相当分の貯蓄ができるようになることが当面の目標です。

Cリーグで印象的に変身した人を2人ご紹介しましょう。1人は30代後半の男性です。参戦1カ月後、分厚いレシートの束を持ってきました。聞けば、3つの支出に該当しない、いわゆるムダな支出に分類されたものだというのです。彼は、印刷会社の社長なのですが、アポイントまでのわずかな空き時間、あるいは、気分転換でと、ついコンビニに行ってしまうのだそうです。彼は「積もり積もってこれです」と、1センチメートル近いレシートの束を差し出しました。ひと月でこれほどのムダな支出をしていたとは、さすがの彼も驚いたようです。

しかし、「貯められる自分になる」という彼の決意は固く、次の月からその厚みは見事に減っていきました。それに伴い、目標貯蓄率の達成度は上昇。数カ月後には、ついに目標金額の100%超えです。目標貯蓄額を上回った貯蓄をする月さえ何度かありました。

もう1人は、29歳の女性です。彼女は、支出を減らさなければ、目標貯蓄率を達成するのは難しいと判断し、毎日お弁当を作ることにしました。時折、Cリーグで、お弁当の写真を見せてもらいましたが、バランスがよくヘルシーで、体にもよさそうです。彼女は、たったひと月で目標貯蓄額をクリアし、その後、毎月、必要貯蓄率を見事に達成しました。そして1年後、すてきな男性と知り合いめでたくご結婚されました。筆者は、うれしいことに、司会をさせていただきましたが、前向きな彼女らしい、明るく素敵な式でした。彼女は、満足感を感じられる生き方を主体的に選んでいるという印象を持ちました。

クレジットカード使用をしばらくやめよう

最後に、支出をコントロールできない人に2つのアドバイスです。まず、カードを使うことをしばらくやめましょう。クレジットカードはおカネを使った感覚が薄いので、自分のおカネの使い道をしっかり意識するということと相反します。貯められる体質に改善できるまでカード禁止にしましょう。

次に、予算内で買えず、また、臨時予算に計上していないが、どうしても欲しいものがあるという場合です。残念ながら、衝動買いは厳禁です。2、3回足を運び、他のメーカーのものとも比較してみましょう。そのとき重視するのは値段よりも質です。よいものは愛着を持って長く使えます。結果、価値ある支出になるでしょう。おカネを貯めてから買うのがベストですが、預貯金を取り崩して買う場合は、その分をカバーできるように意識して貯蓄をしていきましょう。

貯めたおカネは、DC(確定拠出型年金)やNISA(少額投資非課税制度)など、適切な置き場所に置き、おカネも経済に参加して少しばかり稼いできてもらえるようにすることも大切です。正しいマネーリテラシーを身に付け、無意味なフラストレーションを生まない、堅実なおカネの使い方を身に付け、主体的に貯蓄を増やしていきましょう。とにかく続けることが大切です。将来を見通してしっかり準備することで、やみくもな「不安」から解き放たれて満足のいく人生を送りましょう。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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