結局「インターンシップ」は就活に有利なのか

丸紅が5泊6日の超過酷インターンを行う理由

経団連の加盟企業である以上、インターンの目的はあくまでキャリア教育。選考解禁前であれば「選考には関係ない」と言わざるを得ない立場にあることは十分理解できる。ただ、あまりにそれを意識し過ぎて本業と関連性の薄い内容にしてしまうと、学生の志望意欲をそいでしまう可能性もある。

慶應大学文学部3年の女子学生は、情報サービス大手の大塚商会が2015年9月に開いたインターンに参加した。参加者に与えられた課題は、人材の採用方法を考えるというもの。「もしもこんな経営課題があったら」という仮説の上で議論する方式だが、学生の反応はイマイチ。「やりがいがあって楽しかったが、ただ楽しいだけで終わってしまった。それよりも、社員が普段どのような業務をしているのかを見られた方がよかった」と話す。

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結局、実際の仕事内容を思い描けなかったことを理由に、その学生は同社を志望しなかった。

また、経団連規定に縛られず、大手を振って選考にインターンを導入している企業がメリットを享受していることは確かなようだ。スマホ向けゲームを手がけるドリコムの総務人事部、長崎美香さんは「学生も会社側も嘘をついているような採用面接に疑問を抱いていたので、互いに本音が出るインターン参加者からだけ、採用をすることに決めた。まだ始めたばかりだが、とても手応えを感じている」と語る。

2015年にこのインターンに参加した早稲田大学4年の男子学生は、日程終了後に選考を受け、同社への入社を決めた。その理由は「インターン中に社員とたくさん交流し、同じデスクで仕事ができたことで、入社後のイメージが湧いた」から。

45%の学生が、インターンに参加した業界に入社

実際、リクルートキャリアが発表した「就職白書2016」によると、回答した学生の45.3%が、インターンに参加した業種に入社している。採用コンサルタントの谷出正直氏は、「直接選考に関係はないインターンでも、エントリーシートや面接の場面で、会社への理解度が高い参加者が、参加していない学生に比べて圧倒的に有利なことは間違いない」という。

学生、企業ともに負荷が大きいインターン。それが直接採用にかかわるかどうかはもちろん重要だが、そうでなくても、相互に納得のいく採用をする上で、挑戦してみる価値はありそうだ。

(名数・役職などは、取材当時のもの)

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