結局「インターンシップ」は就活に有利なのか

丸紅が5泊6日の超過酷インターンを行う理由

そして迎えた最終日。「素材グループB」が発表で披露したのは、農業に関するプロジェクト。残念ながら上位3チームへの入選は逃し、肥料の散布にドローンを使うプロジェクトなどが「役員プレゼン」の権利を勝ち取った。発表には、丸紅の國分文也社長も登場し、「世界で通用する人材をめざし、ノウハウではなく日本や世界の動きを学ぶ厚みのある人間になってほしい」と学生を激励した。

インターン終了後、チームのメンバーたちに感想を聞いてみた。「あらかじめ覚悟はしていたが、知らないことや考えることが多く、大変だった」「勉強することが多すぎて、このインターンが採用につながるかどうかを考える余裕はなかった。チーム内でも、就活の話題は出ていない」と、想像以上の過酷さに疲労困憊の様子。一方で、「参加してよかった。志望度も高まった」と達成感も口にしていた。

丸紅が、この5日間のインターンのために動員した社員の人数は、社長以下役員を含めて約100名。ここまでするのだから、採用に直結しないのはもったいない気がする。だが冒頭で述べた通り、同社の野村容人事部採用課長は「今回のインターンは、商社のビジネスを知ってもらうことがねらいだ。選考とは関係ない」「会社によっては内定につなげるところもあるので、うちのインターンでもそれを期待した学生は過去にいたが、選考とはきっちり区切っている」と“潔白”を主張する。

2015年は参加者60名のうち50名が選考に進んだ

ただ、インターンがきっかけとなって、志望するに至った学生がいることは確かだ。丸紅の場合、「2015年のインターン参加者60名のうち、50名は選考に進んでくれた」(同上)という。

では、他の業界のインターンはどうなのか。証券会社大手、三菱UFJモルガン・スタンレー証券も、丸紅に負けず劣らず、力の入ったインターンを行っている会社の1つだ。同社では、分野別に3部門でインターンを行うが、中でも約200名と、最も多数の学生を受け入れるのが国内営業部だ。半日コースで計5日間のプログラムを、4回実施している。各回の参加人数は50名で、それぞれ20名近い社員を動員している。学生は、金融や投資に関する講義を最初に受けた上で、「誰に、どういう金融商品を、なぜ提案するか」をグループで考え、発表する。

ここまでやらせるにもかかわらず、同社もまた、インターンと採用が無関係であることを主張する。「2016年のインターンでは、応募人数が前年と比べておよそ2倍になった。ただ、採用には一切つなげていない」(嶺有佑人事部長代理)。

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