自民・公明「連立」に次々と亀裂が生じている 自民の「傲慢」と公明の「選挙至上主義」が激突
連立関係にある自民党と公明党の間にたまっていた不満や不信が、最近あちこちで噴出している。「連立の慣れ」からかお互いに自己抑制が効かなくなってきたようで、国会ではカジノ法案処理などで自民党の強引な国会運営に公明党幹部が「造反」し、東京都議会でも両党の「連立」が壊れるなど足並みの乱れが表面化している。
原因は数に物言わせた政権運営をしようとする自民党の「傲慢さ」と、国政選挙、地方選挙を問わず候補者全員の当選を目指す公明党の「選挙至上主義」のぶつかり合いである。
東京都議会での自公の決別は、二つの政党の体質の違いをよく表している。
12月14日、都議会公明党の東村邦浩幹事長が突然、記者団に「自民党との信義という観点で今までやってきましたが、これは完全に崩れたと思っていただいて結構です」と自民党との「連立解消」を表明して関係者を驚かせた。
ことの経緯は以下のようなことらしい。東京都では小池百合子都知事が知事給与を半減したため、都議会議員の議員報酬のほうが多くなってしまった。そこで都議会は議会運営委員会のもとに「都議会のあり方検討会」を作って、議員報酬のカットを検討することとなった。
2017年夏の都議選をにらんだ動き
ところが11月、この検討会が開催される2日前に、都議会公明党の議員報酬2割削減という独自案が一斉に報道された。これに激怒したのが自民党都議団だった。もともと自民党は議員報酬の引き下げに反対であり、公明党案が報道されたのは来年の都議選向けのパフォーマンスだとの批判を強め、公明党に対して独自案を撤回するか、検討会のメンバーから外れるか、いずれかの選択を求めた。もちろん公明党はこの要求を拒否した。
しばらく水面下で協議が続けられたようだが溝は埋まらなかった。その結果が都議会公明党幹事長の「決別宣言」となったのだ。そればかりか東村幹事長は「小池都知事が掲げる東京大改革には公明党も大賛成」と自民党の天敵となっている小池知事に急接近し始めたのだ。
公明党幹部は「長く自民党と組んできたことで、公明党は自民党のいいなりというイメージが出来上がってしまった。にもかかわらず何の配慮も見返りもないという不満が積もり積もっていた」という。
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