日本を「1人あたり」で最低にした犯人は誰か

「世界最高の労働者」を活かせないという罪

1990年代、日本の生産性向上が止まってしまった要因とは?(米国経済統計局、内閣府データより筆者作成)
日本は「成熟国家」などではない。まだまだ「伸びしろ」にあふれている。
著書『新・観光立国論』で観光行政に、『国宝消滅』で文化財行政に多大な影響を与えてきた「イギリス人アナリスト」にして、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社社長であるデービッド・アトキンソン氏。
彼が「アナリスト人生30年間の集大成」として、日本経済を蝕む「日本病」の正体を分析し、「処方箋」を明らかにした新刊『新・所得倍増論』は、発売3日で2万5000部のベストセラーとなっている。その中から、「日本人の生産性向上を妨げる犯人」について解説してもらった。

生産性向上なしに、日本の問題は解決しない

『新・所得倍増論』は、発売3日で2万5000部のベストセラーに(上の書影をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします)

前々回(「1人あたり」は最低な日本経済の悲しい現実)と前回(日本は、ついに「1人あたり」で韓国に抜かれる)の記事で、日本の生産性が他国と比べて相対的に低下している現実を指摘し、生産性向上の必要性を訴えてきました。

このような主張をしていると、必ず「生産性向上など必要ない」という意見をもらいます。しかし「GDP=人口×生産性」です。

人口が増えない中で、生産性を向上させないなら、これから確実に増える社会保障費をどうやってまかなうのか。先進国の中で貧困率がトップクラス、まさに「ワーキングプア大国」という現実をどう解決するのか。「生産性向上など必要ない」と主張する方にはぜひとも教えていただきたいのですが、納得のいく意見を聞いたことがありません。妙案がある方がいらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちいたします。

さて、記事への反応の中には、「問題提起だけで解決策が書かれていない」という批判もありましたので、今回はその点を解説していきたいと思います。

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