日比谷線新車、デビュー前「特別運転」の狙い 東京メトロが25日まで1日1往復だけ実施

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車内に掲出された銀色の「ドラえもん」のポスター(撮影:尾形文繁)

特別運行の区間は、南千住-霞ヶ関間。南千住駅近くには車庫、霞ヶ関駅には折り返し設備があるためだ。日比谷線は北千住駅と中目黒駅を結ぶ路線だが、両端の駅はそれぞれ東武線、東急線と共用しているため、特別運行である今回はメトロの路線内で完結する区間での運転となった。

車内を彩るのは、日比谷線カラーである銀色の「ドラえもん」。東京メトロの取り組みを紹介するポスターなどに起用されているドラえもんだが、今回の車内に掲出されているポスターや、ドア上のディスプレイで放映されている動画は特別運行のために作られたものだという。

静かな車内は照明にこだわりが

13000系に乗って気付くのは「静かさ」だ。日比谷線はカーブが多く、車輪とレールの摩擦によって起こる「キーン」という音がトンネル内に鳴り響く区間が多い。だが、新型車両は急カーブでもこのような音が聞こえる区間はほとんどなく、エアコンから吹き出す送風の音のほうが大きく聞こえるほどだった。

静かさの秘密は、新たに採用された「操舵台車」にある。通常、電車の台車は2本ある車軸が平行に固定されているが、新型車ではカーブに合わせて舵を切ることのできる新たな機構を採用。技術自体はすでに銀座線の黄色い新型車両1000系でも採用されているが、日比谷線では特に効果が大きいようだ。

また、車内の照明も特徴の一つ。室内照明はLED(発光ダイオード)による間接照明となっており、まぶしさのない照明となっているほか、強化ガラスでできた荷棚に入った「江戸切子」の模様は、荷棚の奥に仕込まれた照明によって光り、補助照明の役割を果たすようになっている。照明類は車両の完成後も細かくチューニングを重ねてきたといい、同社車両部の松本耕輔設計課長は「照明やクリアに聞こえるアナウンスなど、さりげないこだわりを感じてほしい」と語る。

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