12月8日配信の「『大学4年生』の就活、今からでも間に合うか」では、HR総研が11月に実施した新卒採用動向調査を紹介した。その内容は、選考開始から半年が経過した11月末段階で、3割の企業が採用を継続していることである。とはいえ活動を終了した企業も6割以上ある(そのほか「採用しない」企業が約1割)。今回はその終了企業のデータを分析し、新卒採用のトレンドを確認してみたい。
超売り手市場で採用できる見込みなし
まず前提になるのは、この数年の新卒採用が売り手市場ということだ。経団連が11月15日に発表した「2016年度新卒採用に関するアンケート調査」でも「前年と比べて売り手市場だった」という回答が71.3%に達している。前年(2016年卒生対象)の88.1%より下がったとは言え、ほとんどの企業が「売り手市場」という認識で一致している。しかし、回答企業は、経団連傘下の大企業。同じ「売り手市場」という言葉を使っても、中堅・中小企業の悩みは深刻だ。
新卒採用動向調査の「採用計画数に対する現在の内定充足率」を見ると、企業規模によって採用活動終了の理由が違っている。従業員数「1001人以上」の企業の充足率は「80~100%未満」が4割強、「100%以上」が6割弱であり、「80%未満」の企業は皆無だ。「もう少し欲しいが、これでよしとしよう」と考え、次年度採用の準備にかかっているのだろう。
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