50代の「学習意欲の低下」はどう防ぐべきか

「知能」と「記憶力」は加齢によって低下しない

「高齢者現役社会」を目前にした現在。50歳からの勉強がその後の人生を大きく左右します(写真: しげぱぱ / PIXTA)
少子高齢化が進み、医療や年金の対象年齢の引き上げが進む中、65歳で定年したからといって、悠々自適な隠居生活を思い描くことは、難しくなってきました。
そんな「高齢者現役社会」を目前に控える50代の社会人に向けて、精神科医、文筆家、映画監督と、50歳を超えても新しい世界で活躍し続ける和田秀樹氏が、50歳からでも新しい世界を開き、勉強を続けるための秘訣をお伝えします。

 

「75歳現役社会」と言われて、ピンとくる人はまだ少ないかも知れません。しかし、医療制度や年金制度が対象年齢の引き上げをし始め、少子化による労働力不足が懸念されることからも、もはや60歳で現役を引退するわけにはいかない時代になっていることは事実です。

このような状況下で、今50代の私たちにできること、それが「勉強」です。50代だけでなく、これからの60代、70代は、勉強を続けて自らを他者と差別化し、希少性を維持する努力を続けなければ生き延びていけないのです。

これに対し、「年を取ったら、記憶力や判断力が低下するから、新しいことを勉強するのは難しいのではないか」という心配をされる方もいるかも知れません。しかし、この認識にはいくつかの誤解があります。

年を取っても、知能や記憶力は低下しない

1つ目の誤解は、「年を取るほど知能が下がる」という誤解です。少々古い80年代の調査ではありますが、通称「小金井研究」と呼ばれる、小金井市の一般住民への「WAIS成人知能検査」によると、73歳の段階ですら、いわゆる動作性知能(目の前の要求に対応できるかという知能)は、平均で100を超えており、これは40〜50代の水準とさほど変わりません。

2つ目は、「年を取るほど記憶力が低下する」という誤解です。私たちが記憶力の低下を最初に自覚するのは、人の名前がなかなか出てこない、「あれ」とか「これ」といった代名詞を使うことが多くなった、といったときではないでしょうか。こうして忘れっぽくなってきた自分に、今さら資格試験や外国語の習得なんて困難だ、と考えている人も多いでしょう。

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