エディーが去った日本ラグビーに何が必要か ジョーンズ前日本代表HCが語る勝利の組織論
――ヘッドコーチだったときに日本代表は飛躍的に実力をつけました。同じように、就任以降のイングランド代表は確実に強くなっています。そのいちばんの理由は何でしょうか?
私が監督に就任する前、イングランド代表の成績はベストではなかったが、それでも才能がある選手は多くいた。たくさんの才能が集まっている場合、そこで行うべきことは、そのチームを団結させること。それを短期間で行わなければならなかったのは非常に大変だったが、彼らはすばらしく成長している。
日本で(ヘッドコーチとして)教えていたときは「ジャパン・ウェイ」という方法論を実践した。これは選手にプレースタイルや努力の仕方など精神面も含めた「日本人らしさ」を理解してもらうことで、実力以上の力を発揮させる方法だ。
イングランドでは、この「ジャパン・ウェイ」とはまた違った考え方で、「イングランドスタイル」を作り上げた。つまり、しっかりとしたセットピース(セットプレー:ゲームが止まった後の再開方法)と非常に強いスクラムを重視するということだ。ディフェンスも強固にした。そして頭脳的かつ、いつでも適応できる柔軟性を持った「アタック」と呼ぶシステムを開発した。これが選手たちにぴったり適応したんだ。
「今の日本代表のプレーは、一貫性がない」
――日本代表チームは、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ就任後のテストマッチを1勝3敗で終えました。これについてどう評価しますか。
今の日本代表のプレーには一貫性がない。それ自体は若いチームの特徴でもあるけれど、経験が足りないために、ロスをしたときの立て直しも遅かった。特にフィジー戦の敗北は残念だ。フィジーは世界ランキング10位で、日本は11位。もっといい試合ができたはずだ。あっさり負けてしまう日本の姿にはがっかりしたよ。
全体的に、とにかくスピードとパワーがなかった。スクラムもひどかった。これからは、スクラムのトレーニングとともに、総合的なトレーニングを相当、積んでいかなければならないと思う。彼らにはハードワークが必要だ。
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