エディーが去った日本ラグビーに何が必要か ジョーンズ前日本代表HCが語る勝利の組織論

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
エディー・ジョーンズ氏の就任後、ラグビーのイングランド代表は破竹の13連勝。直近に指揮を執っていた日本代表に続く快進撃で、「エディー流」のチーム作りが世界的な注目を浴びつつある(写真:PA Photos/amanaimages)
昨年12月にラグビーのイングランド代表監督に就任して以来、チームが13連勝と快進撃を続ける元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ。そのジョーンズ氏がビジネスで勝つための方法論を1冊にまとめたのが、『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』だ。チームに実力以上の力を発揮させる、エディー流必勝法について聞いた。

 

――ヘッドコーチだったときに日本代表は飛躍的に実力をつけました。同じように、就任以降のイングランド代表は確実に強くなっています。そのいちばんの理由は何でしょうか?

私が監督に就任する前、イングランド代表の成績はベストではなかったが、それでも才能がある選手は多くいた。たくさんの才能が集まっている場合、そこで行うべきことは、そのチームを団結させること。それを短期間で行わなければならなかったのは非常に大変だったが、彼らはすばらしく成長している。

日本で(ヘッドコーチとして)教えていたときは「ジャパン・ウェイ」という方法論を実践した。これは選手にプレースタイルや努力の仕方など精神面も含めた「日本人らしさ」を理解してもらうことで、実力以上の力を発揮させる方法だ。

イングランドでは、この「ジャパン・ウェイ」とはまた違った考え方で、「イングランドスタイル」を作り上げた。つまり、しっかりとしたセットピース(セットプレー:ゲームが止まった後の再開方法)と非常に強いスクラムを重視するということだ。ディフェンスも強固にした。そして頭脳的かつ、いつでも適応できる柔軟性を持った「アタック」と呼ぶシステムを開発した。これが選手たちにぴったり適応したんだ。

「今の日本代表のプレーは、一貫性がない」

――日本代表チームは、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ就任後のテストマッチを1勝3敗で終えました。これについてどう評価しますか。

今の日本代表のプレーには一貫性がない。それ自体は若いチームの特徴でもあるけれど、経験が足りないために、ロスをしたときの立て直しも遅かった。特にフィジー戦の敗北は残念だ。フィジーは世界ランキング10位で、日本は11位。もっといい試合ができたはずだ。あっさり負けてしまう日本の姿にはがっかりしたよ。

全体的に、とにかくスピードとパワーがなかった。スクラムもひどかった。これからは、スクラムのトレーニングとともに、総合的なトレーニングを相当、積んでいかなければならないと思う。彼らにはハードワークが必要だ。

次ページジョセフ新ヘッドコーチをどう評価しているか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事