日経平均は続伸、終値の年初来高値を更新 円安を好感、重要イベント前に利益確定も
[東京 1日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸。終値は204円高となり、1月4日に付けた終値ベースの年初来高値1万8450円98銭を更新した。石油輸出国機構(OPEC)総会での減産合意を受け、一時1ドル=114円台後半へとドル高/円安方向に振れた為替相場を好感。日経平均は一時437円高となった。ただ、後場に入ると次第に利益確定売りが強まり、引けにかけて上げ幅を縮小した。
日経平均は寄り付きで約11カ月ぶりに節目の1万8500円を回復した。原油相場の急上昇を背景に、石油関連銘柄が大幅高となったほか、米国市場で金融株が買われた流れを引き継ぎ、メガバンクや証券、保険なども買い優勢だった。ドル高/円安に伴う業績上振れ期待からトヨタ<7203.T>やキヤノン<7751.T>など主力輸出株もしっかりだった。
前場後半には断続的な先物買いが強まり、日経平均が1万8700円台半ばへと浮上する場面があった。ただ、買いの勢いが止まると上値の重さが意識され、午後2時前には円相場の強含みとともに先物主導で急速に伸び悩んだ。2日発表の米雇用統計や4日に予定されているイタリアの憲法改正を巡る国民投票など重要イベントを控え、目先の利益を確定する動きが広がった。
市場では「金融株などはしっかりとしているが、足元の基本的な相場環境は日米金利差を背景とする円安と連動した先物市場での短期売買が主体であり、円安が一服すればすかさず売りが出やすい。週末のイベント次第では売りの口実となり、日経平均1万8000円程度までのスピード調整はあり得る」(松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、大同特殊鋼<5471.T>が反発。30日、自己保有株を除く発行済み株式総数の0.46%に当たる200万株、取得総額10億円を上限とする自社株買いを実施すると発表し、材料視された。取得期間は12月1日から2017年1月20日。
半面、空運やパルプ・紙などが軟調。原油価格の上昇がコスト負担増につながるとの懸念から売りが優勢だった。日本航空<9201.T>、ANAホールディングス<9202.T>、日本製紙<3863.T>などの下げが目立った。
東証1部騰落数は、値上がり1137銘柄に対し、値下がりが735銘柄、変わらずが118銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 18513.12 +204.64
寄り付き 18535.24
安値/高値 18469.27─18746.28
TOPIX<.TOPX>
終値 1483.27 +13.84
寄り付き 1486.08
安値/高値 1478.75─1498.74
東証出来高(万株) 282141
東証売買代金(億円)32911.92
(杉山容俊)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら