ヘッジファンドが作った相場はいずれ崩れる

米ドルも日本株も割高だと言わざるを得ない

世界の市場は依然強気。OPECも8年ぶりに減産を決めたが、いまの株式市場は、都合の良い解釈がまかり通っている(写真:ロイター/アフロ)

米大統領選挙後、もうすぐ1ヵ月になろうとしている。今後の株価や米長期金利はどうなるのだろうか。約2週間も3週間も上げ続ければ、さすがに上値が重くなってもおかしくない。しかし、ひとことでいえば、「依然として堅調さを維持している」というのが実態である。

OPECは8年ぶりに減産合意したが・・・・・・

とにかく、トランプ氏の勝利後、市場のセンチメントは一気に変わってしまったかのような上昇ぶりだ。この間、「トランプ氏が繰り出す政策への期待」が、すべて相場に織り込まれたかは不明だ。しかし、具体的な政策が出ていない中で、期待で買われているのは確かだ。そのため、今後は徐々に「実態に即した相場水準」を模索することになるだろう。

それにしても、相場は強いと言わざるを得ない。これまでは、ドル高が進めば、「米国の多国籍企業の収益が圧迫される」との見方から、株式市場にとっては売り材料だった。また、金利上昇も同様だ。しかも、11月30日にはOPEC(石油輸出国機構)が8年ぶりに減産で合意したが、原油相場が低迷していたことなどは、いまや全くといっていいほど、材料視されていない。

だが、逆に言えば、これらは、現在の株式市場で、いかに「都合の良い解釈がなされているか」の証左である。それ自体は否定されるべきものでない。だが、相場が堅調に推移するには、あとから実態が伴うことが不可欠である。だが、実態が付いてくるかは、かなり先にならないと見えてこないだろう。米国の会計年度は10月から9月である。

そのため、来年1月20日のトランプ氏の大統領就任後、すぐに新たな政策を導入するとしても、「結局来年の10月以降にならないと、その効果は出てこない」との指摘もある。また、選挙戦で掲げていた政策の中には、すでに実行に移される可能性がかなり低下したものもある。

こう考えると、いまの市場はトランプ氏の政策をかなり過大に評価している可能性がある。良い面を見ることは重要だが、市場の反応はかなり過剰と言ってよさそうである。

しかも、米国株はともかく、ドル円の上昇はまさに「強烈」という表現が適切だろう。100円割れ目前から、一気に114円台にまで戻している。これは、「昨年高値と今年安値の半値戻し」を達成しており、一定のメドまで戻したといってもよいだろう。

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