知られざる「石油ストーブ」メーカーの実態

「54年ぶりの雪」でドメスティック企業が攻勢

今年は石油ストーブが手放せないほどの冬がやってくるのだろうか(写真:cozy / PIXTA)

11月としては54年ぶりに東京に雪が降った11月24日、石油暖房機器の国内最大手、コロナが中間決算の説明会を開いた。「ようやく通常の冬が到来しつつあり、暖房機器は本来の動きを取り戻す見込みだ」と、小林一芳社長の表情は明るかった。

国内の石油暖房機器市場は、直近では2011年度の789億円をピークに、2015年度には523億円まで大きく縮小している。石油暖房機器の需要は冬の寒さに強く影響を受ける。さらに灯油価格や、5~6年という暖房機器の買い替えサイクルとも関係が深い。

石油ストーブは震災以降右肩下がり

2011年度は買い替えサイクルが回ってきたうえ、冬の寒さが厳しく、さらに前年度末に発生した東日本大震災による特需があったことなどから需要が大きく膨らんだ。一方で2013年度は関東甲信越で記録的な大雪となったものの、灯油価格が高値圏にとどまっていたこともあり、業界の期待ほどに市場は盛り上がらなかった。

そして昨年は記録的な暖冬。折からの円高も追い風となって灯油価格は大きく下落したものの、石油暖房機器は鳴かず飛ばずだった。コロナの業績も市場の推移と軌を一にするように、2011年度から右肩下がりが続いていた。しかし、今期は5年ぶりの増収増益を見込む。

暖冬を引き起こすといわれるエルニーニョ現象(南米ペルー沖の海面水温が高い状態)がこの春に終わったことから、「今年は様子が違う」という期待が業界内では高まっている。

日本ガス石油機器工業会が3月に発表した2016年度の業界全体の出荷予想は、石油暖房機器で557億円(前年比5.6%増)と5年ぶりのプラス成長を見込む。さらに秋からは、厳冬を引き起こすといわれるラニーニャ現象(東太平洋や赤道付近の海面水温が低い状態)が発生している。

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