「バニラ」と「ピーチ」、日の丸LCCは真逆を行く

同じANAが出資する2社はこんなに違う!

黄色と青を基調としたバニラエア(上)と、その名の通り鮮やかな桃色のピーチ・アビエーションの機体。ともにエアバス製の小型機「A320」だ(撮影:尾形文繁)

ANAホールディングス(HD)傘下のLCC(格安航空会社)、バニラエアはこの冬まもなく、日本のLCCとして初めて他社との「乗り継ぎ」を始める。バニラは今年5月にアジアのLCC7社と組み、航空連合「バリューアライアンス」を発足させた。このアライアンスが本格始動する。

仕組みはこうだ。バニラのウェブサイトを開いて行き先を検索すると、複数の航空会社による乗り継ぎの旅程が表示されるようになる。LCCでは別売りになっている機内食や座席指定、手荷物預けも、全旅程の分をここで購入できる。

「乗り継ぎ保証」でアジアがもっと身近に

バニラエアの五島勝也社長はANA出身。ANAが所属する航空連合「スターアライアンス」の本部に出向した経験もある(撮影:尾形文繁)

LCCの多くは、小型の航空機を使って片道4時間前後の路線を運航するのが原則だ。これまでLCCでより遠くの国へと飛ぶには、自分で1つ1つのチケットを別々に予約しなければならなかった。しかも利用する便が遅れたり欠航になったりしても、乗り継げる保証はない。

だがバリューアライアンスのシステムは、乗り継ぎの保証がある。予約していた便への乗り継ぎが間に合わなかったとしても、空席のある直近の便に振り替えてくれるのだ。

アライアンスに加盟するシンガポール航空傘下のスクートとつながれば、札幌から成田に来る人がそのままスクートのバンコク行きに乗り継げる。また、タイからの訪日客はその逆のルートで札幌に行ける。バニラは12月25日に成田―セブ(フィリピン)線を就航するが、セブからは同じく加盟LCCのセブパシフィック航空の便へと乗り継げる、といった具合だ。

バニラの五島勝也社長は「今後はスルーバゲージ(乗り継ぎ便への預け荷物の積み替え)や、各国の競争法にのっとりながら、乗り継ぎしやすくなるようにダイヤの調整も検討したい」と意気込む。

一方、「アライアンスを組んでいる暇はない」と話すのが、こちらもANAホールディングスが出資するLCC、ピーチアビエーションの井上慎一CEOだ。

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