11月の米大統領選挙を受け、女性の投票に対する陳腐な見方は改められるべきだ。2大政党で初の女性候補となったヒラリー・クリントン氏への女性の支持率はわずか54%にすぎなかったからだ。
ジェンダー(男女の区別)は米国人にとって重要な指標ではあるが、投票を予測する最良の指標ではない。要するに女性候補者が女性票を集めるとは限らないのだ。
米シンクタンクのピュー研究所によると、ジミー・カーター氏とジェラルド・フォード氏が争った1976年まで、大統領選では男女間の投票行動に差は見られなかった。
だが、2000年の選挙ではジョージ・ブッシュ氏に対する男性の支持率が女性を11%ポイント上回った。2008年選挙ではオバマ氏に対する女性の支持率が男性より13%ポイント高く、2012年選挙でも同様にオバマ氏への女性票が男性票を11%ポイント上回った。
「性別」は人種や民族ほどポイントにならず
今年の選挙では女性のクリントン氏への支持率は男性を12%ポイント上回り、男性のトランプ支持率は女性を同程度上回った。しかし、こうした男女の支持率の差は、人種や民族による隔たりほどではなかった。
今回、白人のトランプ支持率はほかの人種を21%ポイント上回った一方、クリントン支持率はヒスパニック系で36%ポイント、アフリカ系では80%ポイントほど、トランプ氏を上回った。
教育水準による支持率を見れば、その差は1980年の選挙以来、最大となっている。大学教育を受けた有権者のクリントン支持率はトランプ氏を9%ポイント上回った一方、学位を持たない有権者の支持率はトランプ氏が8%ポイント高かった。
ニューヨーク・タイムズ紙の出口調査によれば、年間所得5万ドル未満の有権者のクリントン支持率はトランプ氏に約10%ポイントの差をつけており、所得がそれ以上の有権者の支持率は両氏でほぼ半々だった。
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