セブン、独り勝ちの秘密

消費者もメーカーも引き寄せる力

30年越しの渾身作 セブンカフェの威力

そこに、新たなキラーコンテンツが登場した。「セブンカフェ」だ。

セブンカフェは今年1月から全国展開を始めた、セルフ式のドリップコーヒー。本格展開からわずか半年足らずで累計販売5000万杯を突破した。9月には国内全店舗に導入する予定で、初年度の販売数は日本マクドナルドの「マックカフェ」(年間約3億杯)を軽く超える、4・5億杯となる見込みだ。

セブンは30年も前から、入れたてコーヒーの販売を手掛けてきた。開発すること実に4度。それでも販売は伸び悩み、やがて店頭から姿を消した。デカンタ型の容器にコーヒーを作り置きしておくタイプや、カートリッジ式のマシンは、酸化による風味の劣化に悩まされた。

01~02年ごろのスターバックス・ブームに乗じて、2000店で展開した「バリスターズ・カフェ」ではエスプレッソ式のマシンを導入したが、風味が物足りなく、定着しなかった。そのうえマシンを欧州から輸入して、日本仕様に改造していたためコスト高になった。

5度目の挑戦になる今回のセブンカフェは、ドリップ式を採用。水といえば硬水が一般的なヨーロッパでは、圧力をかけてコーヒー成分を溶かすエスプレッソ式が発達した。だが、日本は軟水が多い。「日本では、無駄な力をかけずに自然に(水を)落として、味が流れ出る、ドリップコーヒーが合っている」。かつておでんの開発にかかわったこともある高橋広隆・商品本部シニアマーチャンダイザーは、日本の出し文化に着目した。

セブンカフェの開発には、多くのメーカーがかかわっている(上図)。コーヒー豆の調達は三井物産、焙煎はAGF(味の素ゼネラルフーヅ)とUCC上島珈琲、といった具合だ。

卓上型のドリップ式コーヒーマシンの製作を担当したのは、自動販売機で国内シェアトップの富士電機。「省スペースに収まるコーヒーマシンの開発に、非常に長けている」(商品本部長の鎌田靖常務)。当初から「ワンコインで売れるコーヒー」というコンセプトがあり、それに見合ったコストでの製造が必要だった。

開発段階では、何度もマシンを試作。コーヒー豆のひき方やお湯を通過させるスピードなどに注目し、朝の忙しいコンビニ店内で風味のよいコーヒーが速やかに入れられるよう調整を繰り返した。

売れ行きが好調な店舗にはマシンを2台設置する場合もあるため、富士電機は数万台規模のコーヒーマシンの製造を一手に担うことになる。この販売規模を背景に、従来のエスプレッソ型マシンの約4分の1の価格でマシンを作ることができた。

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