テレ東がアニメと深夜ドラマ配信で稼ぐワケ 「NARUTO」「孤独のグルメ」などが業績を牽引

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一方のアニメ事業も前年の74.3億円から85.0億円に伸ばした。有力コンテンツの「妖怪ウォッチ」は一時期よりブームが落ち着いてきたことから、商品化の取り扱いは前年より減少している。だが、それを補ったのが大人気アニメの「NARUTO」だった。

NARUTOのスマホゲームは欧米や中国で配信されている。好調だったのは配信先を広げている中国だ。ユーザーの課金状況は良好で、配信から時間が経過してもランキング上位を維持しているという。

また、同じく人気アニメ「BLEACH」のスマホゲームも欧米でヒットを続けている。テレ東はアニメ事業について、前年も好調だったことから予想を堅めに見ていたのだが、それを上回る結果となった。

配信は過去最高の水準

高橋雄一社長は決算説明会で、ソフトライツ事業について「アニメ事業は過去最高の収益。スマホゲーム配信で最も伸びているのは中国で、市場の拡大は相当な勢いがある。息の長いコンテンツが増えれば、収入も安定的に増える」と説明。アニメ以外のドラマについても「配信はこれまでにない水準に達している」と手応えを口にした。

テレビ広告が思うように伸びない中で、民放各局は多角化に活路を求めている。フジ・メディア・ホールディングスは不動産開発が好調だ。日本テレビホールディングスやTBSホールディングスも、スポーツクラブや不動産など、さまざまな事業を展開している。

一方のテレ東は、あくまで地上波放送に関連したビジネスで業績を拡大する構えだ。今後も、主力であるテレビ広告はもちろん、好調を続けるアニメや配信収入の行方が、同社の業績を左右することになりそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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