「WOWOWドラマ」は地上波放送と何が違うのか

他の民放ではありえない作品を次々と映像化

25周年企画の「沈まぬ太陽」はWOWOWドラマの集大成。地上波では映像化できない原作だ

人気俳優・女優を起用しても、初回視聴率が10%を下回る。そんな状況も珍しくはなくなってきた。民放のテレビドラマは現在、かつてないほど厳しい状況に陥っている。

不振の理由については、スマホなどの普及によって、どれだけテレビが見られているかを示す「総世帯視聴率」が長期低落傾向にあることや、視聴者が放送時間に合わせて行動しなくなった、そもそもつまらなくなったなど、業界でもさまざまな意見が飛び交う。

中でも、数ある要素のひとつとして考えられるのは、地上波における「しがらみ」ではないだろうか。

たとえば、テレビ局と芸能事務所との関係から、特定の俳優・女優が立て続けに出演したり、「4月クール、主演○○」などと枠が先行して決まり、企画を当てはめることもある(もちろん、「この役者でなければヒットしない」という作品も考えられるため、一概に否定すべきものではない)。そのほか、多方面で広告を出稿するスポンサー企業への配慮が必要とされ、思い切った企画を実現するのが難しいという事情もあるようだ。

ただ、こうした制限を気にすることなく、ひたすら独自のドラマを作り続けている局がある。日本初の民間衛星放送事業者、WOWOWだ。

独自ドラマの役割は、満足度を向上させること

WOWOWは映画や音楽ライブ、スポーツを中心に、3チャンネルを運営している。映画はもちろん、錦織圭選手の活躍が目立つテニス、海外サッカーも人気だ。昨年はフィリピンが誇るボクシングの英雄、マニー・パッキャオ選手のビッグマッチを中継するなど、スポーツのイメージを持たれる方も多いだろう。そんな同社がなぜ、ドラマに力を入れるのか。

WOWOWのビジネスモデルは極めてシンプル。収入の大半を有料会員からの収入が占める。そのため、コンテンツの狙いは会員を獲得することと、満足率を上げ長期間利用してもらうこと。この二つしかない。

独自の「連続ドラマW」は1作品(5~6話)を毎週1話ずつ放送することで、主に後者の役目を担っているのだ。田中晃社長も「自社制作に力を入れてきた。連続ドラマは解約防止に役立っている」と胸を張る。

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