ライザップは「糖質制限を広める会」ではない RIZAPグループ社長が語る「理想の健康食品」

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――「糖質制限についてはこぢんまりと言ってきた」というわりには、今回のファミマとのコラボは大々的なものでは?

われわれが知り得ている中で、糖質コントロールが減量にベストな手段だとの確信が深まったことが背景にある。ライザップの「結果」についてはトレーナーを含めて初めは半信半疑だった。でもテレビCMを遥かに超える結果がたくさん出ている。ここまで来ると「この手段は非常に有効なのではないか」という結論に近づいてくる。

先進国を中心に生活習慣病が増えたことで、食事における糖質、たんぱく質、脂質の3大栄養素をどう適度に摂取していくか、その内訳が変化しつつある。

低糖質食品の市場はまだまだ発展途上で、普通の食品に比べるとあまりおいしくないものが出回っている。改良の余地は大きい。同じおいしさであれば、多くの人は糖質の低いものを選ぶと思う。そう考えると、伸びしろがあり、工夫しがいのある面白い市場だ。

糖質制限はブームで終わってほしくない

――一方で、糖質制限について批判的な見方があることについてはどう考えますか。

議論の方向性がおかしいと思う。そもそも糖質は3大栄養素の一つであって、人間には絶対に必要なもの。それを前提に、何グラムまでなら糖質を取っていいのか、糖質制限の対象となるのはどのような人か、どれくらいの期間なら制限を続けていいのかなど、細分化して議論していくべき。

ところがよく言われるのは「極端な糖質制限は大変な事態を招く」という意見。確かに事実だ。でも「極端な糖質の取り過ぎは大変な事態を招く」ことも事実なわけで、「糖質制限は悪だ」という単純な議論に陥ると混乱を招く。

細かいところを議論し検証することが重要なのに、一事が万事みたいにとらえられている。あまり検証もされていない中で言葉にだけ踊らされてはいないだろうか。低糖質、糖質制限についての議論をもっと深めていかないと、リンゴダイエットなどのような一過性のブームになってしまう。それが嫌なんです。

緒方 欽一 東洋経済 記者

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おがた きんいち / Kinichi Ogata

「東洋経済ニュース編集部」の編集者兼記者。消費者金融業界の業界紙、『週刊エコノミスト』編集部を経て現職。「危ない金融商品」や「危うい投資」といったテーマを継続的に取材。好物はお好み焼きと丸ぼうろとなし。

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