慶應幼稚舎出身女子がNY高男に振られたワケ 東京カレンダー「慶應内格差」<5>
普通部生の良輔に告白された幼稚舎・早希子。しかし、その脳裏にはNY高出身の藤澤ケントの姿があった。
NY高といえば、慶應でも随一の高学費校。ニューヨーク郊外に位置し、隔離された空間で寮生活を送るため、同窓生の結束が妙に強い。内部生の中でも異質の存在だ。
ケントは名古屋のおぼっちゃま
地方の資産家や中小企業の経営者を親に持つ富裕層が多く、ケントも例に漏れず名古屋で自動車関連会社を経営する家庭に生まれた。大学時代は親から与えられた麻布十番の自宅で一人暮らし。西麻布周辺のクラブやバーで相当派手に遊んでいたらしい。
そんなケントも今では立派なSクラス男子。新卒で入社した総合商社から同期で最初に転職し、現在は外資系の不動産ファンドで働いている。
沙羅主催の外銀パーティで早希子はケントと出会った。「早希子ちゃんだよね?俺大学の時から密かにファンだったんだよね」。ケントは積極的にアプローチ。2人での食事はもちろん、NY高時代のルームメイトの誕生日会や、1年に1回のNY高同窓会にも早希子を誘った。
幼稚舎生とは違う海外育ちのスマートさを持つケント。ジェントルマンで、シンデレラのように女の子を扱ってくれるケントに早希子は満足していた。