上から目線の人と、体育会的なノリが嫌い ユナイテッドアローズ 重松会長の好き嫌い(下)

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体育会的なノリが嫌い

楠木:では、ちょっと質問を変えて、嫌いなものをお伺いしたいと思います。嫌いなもの、苦手なものはありますか。

重松:上から目線の人というか、威張っている人は嫌いですね。

楠木:私も本当に嫌いなんですが、私の勝手な仮説では、男の「威張り」というのは、本能というか性(さが)みたいなものだと思うんです。世間の評判が悪いのは、本人もよく理解しているのですが、ついついそうなってしまう。私はそういう人を見ると、本能が抑えられない気の毒な人だと思うようにしています。

重松 理(しげまつ・おさむ)
ユナイテッドアローズ取締役会長。
1949年神奈川県逗子市生まれ。1973年明治学院大学経済学部卒業。婦人服メーカーに勤務の後、セレクトショップ「ビームス」の立ち上げに参加。1号店の店長に就任。同社常務を経て、1989年にユナイテッドアローズを設立。社長に就任。2002年に東証2部、2003年同1部への上場を果たす。2012年より現職。2013年3月末現在、15のストアブランドを持ち、全国に208店舗を擁する。

重松:それはいいかもしれません(笑)。

楠木:ただ、周囲を威圧するような男性ホルモンが強い人というのは、ビジネスでも結構成功するタイプです。同じように、私は「媚び」は女性の本能だと考えていて、威張る男性と媚びる女性というのは、非常に相性がいい。この組み合わせが多くなるほど、世の中はうまく回るのではないかと考えています(笑)。ただ、もめ事や戦争はなくならないかもしれませんが。

重松:私は、そもそも人と集まって何かをするというのが、ちょっと苦手で。学生時代にバスケットボールをしていたので、チームプレーができないわけじゃないのですが、グループの中にリーダー的な人がいると、もうダメなんです。そのリーダーに従うとか、言うことを聞くとかが苦手。自由にできないと。

楠木:業界内のサークル的な集まりとかはないのですか。

重松:あります。でも、誰かがリーダーになって、という感じではないんですよ。

楠木:体育会的なノリが嫌いということですか。

重松:そうですね。ただし、自分がリスペクトしている人たちに対しては、体育会系のノリでコミュニケーションを取るようにしています。

楠木:それはなぜですか。

重松:好き嫌いを超えて、そういう接し方のほうが、社会的に正しいことだと自分が考えているからです。社会的に正しいと思えることをするのが好き、と言えるかもしれません。しかし、自分の部下には決してそういうノリは要求しません。

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