平井社長が語る、ソニーの今とこれから エンタメや金融もソニーのコア事業だ

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エクスペリアAは首位独走

──懸案のエレキについて。テレビは前期の1350万台から今期は1600万台を目指す。台数を追わない戦略は変更したのか。

昨年度はコストを見直すなど守りの部分でいろいろなアクティビティを行ってきた。そのためにマーケットシェアを追ってさらに赤字を増やすようなことはやめましょうと決めた。しかし、コスト構造も改善してきた。高い評価を得られる商品を作ることもできた。そのため、今度は攻めに転じる。

1600万台は3年前に比べたらまだ少ない。でも、また数字ありきでやると、それに向かってどんどん作ってしまう。それはしない。

──デジタルカメラ、ビデオカメラの市場が縮小している。

確かにローエンドの市場はシュリンクしている。しかし、スマートフォンで写真を撮る方々にエクスペリアを買っていただければ、ソニーグループとしてはプラスマイナスゼロだ。幸い最新のエクスペリアAは国内で首位を独走している。

同時にイメージセンサー(撮像素子)の技術力を生かし、セキュリティなどはもっともっと伸びが期待できる。スポーツやメディカルにもソニーの映像技術、撮像技術が生かせる。そういうコンシューマー以外のビジネスに、これからも積極的にシフトしていかなければいけない。

──エレキ改革は7~8合目と語っている。ということは、まだ構造改革は終わっていない?

去年の段階で決めた構造改革には、1年半かかるものもあれば、2年かかるものもある。そのため、今年度も500億円の構造改革費用を見込んでいる。

白か黒かのように「もうこれ以上はないんですね」と聞かれることがあるが、この競争が激しい時代は、いつでも事業の見直しをかけないほうがおかしいと私は思う。昨年行ったような大規模なリストラを今すぐ考えているかというと、それはないが、これでおしまいではない。

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