急増する「買い物が面倒くさい」人のホンネ 「生活者1万人アンケート」でわかったこと
多少高くてもよいから、いろいろ探しまわったり比較したりせずに、手に入りやすいものをラクに買いたい――。野村総合研究所の「生活者1万人アンケート調査」では、1997年から3年ごとに日本の消費者のトレンドを追いかけているが、直近の調査では、上記の「ラクに、考えずに買いたい」という、“利便性消費”が大きく伸びている。
時系列の大規模アンケート調査をベースにまとめた『なぜ、日本人は考えずにモノを買いたいのか?』を上梓した著者が、消費離れだけでなく、あれこれ迷ったり考えたりという消費の“醍醐味”を楽しむ傾向すらも希薄化して見える、現代日本の消費者の意識・行動や、今求められるマーケティングの方向性を解説する。
モノを買うのが面倒くさい?消費を楽しまない消費者
「仕事と子育てと家事で、毎日バタバタ。自分のものを買いたくても、とてもゆっくり選んでいる時間なんてない」
「最近は何を買うにしても選択肢が多すぎて困る。正直いろんな機能の違いも、何が重要でどちらがどう良いのかわからないし、どれを選んだらよいかわからない」
「スマホのコスパは異常。ゲーム、コミュニケーション、情報収集や写真撮影……これさえあれば24時間何でも楽しめる。買い物をじっくりしようという気が起こらない」
現代日本の消費者からは、こうしたさまざまな理由で「モノを買うのが面倒くさい」という声が聞かれる。
野村総合研究所では1997年から日本の消費者の意識を追いかけてきた。その結果を見ても、この傾向は顕著に表れている。
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