アベノミクス終焉で日本はかなり厳しくなる

藤野英人氏が英EU離脱後の日本経済を予測

「英国のEU離脱で円高」という短期的な見方も大事だが、これからの日本経済は「満月が欠ける」ように、衰える危険性が高まっている(撮影:尾形 文繁)
英国EU離脱を受け、6月24日の東京市場では急速な円高が進み、日本株は1286円安と暴落。歴代下落幅では8位。円安に頼ってきた日本株や日本経済はどうなるのか。レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長兼CIO(最高投資責任者)に聞いた。

政策でなく運に恵まれたアベノミクス

1月から日経平均株価が大きく下がりましたが、その理由は原油、円高、中国のせいだと言われています。しかし、私はそうした外部環境によるものではなく、ここ数年間続いた日本経済の好調期が終わりを迎えているためだと考えています。

3年ほどになるアベノミクスを振り返ると、当初掲げた「三本の矢」のうち、金融緩和効果は刺さりました。この部分はおおいに評価できると考えています。

しかし、残念ながら財政政策は中途半端で、成長戦略は、矢ではなく「針」に過ぎませんでした。刺さった中で大きかったのがインバウンド消費ですが、それでも大きさはせいぜい「吹き矢」程度。全体で見ると成長戦略は大きな成果を上げることができませんでした。

アベノミクスそのものは、政策としては中途半端と言わざるをえません。ただ、アベノミクスにとってラッキーだったのは、景気循環と円安が後押しとなったことです。アベノミクスによる株価上昇は景気循環と円安、そして金融緩和効果で説明できます。

まず、景気循環の上昇局面にアベノミクスの期間がぴったり重なりました。人口動態もプラスに働きました。団塊の世代の年齢がちょうど65~70歳という、人生の黄金期にさしかかっていたのです。

この年齢帯の人は体力も好奇心もありますし、子どもも巣立って時間もあります。退職金が入り、年金も始まりますので経済的に豊かです。団塊の世代という、最大の消費者層の消費意欲が最大となったことで、インバウンドに上乗せする形でホテル需要や車の販売、高額消費が増えました。

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