ニコン、国内で1000人規模の希望退職実施へ 一時費用で480億円の損失計上、今期赤字に

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 11月8日、ニコンは、国内で1000人規模の希望退職を募集すると発表した。2017年3月期中に実施する。写真は都内で2012年6月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 8日 ロイター] - ニコン<7731.T>は8日、国内で1000人規模の希望退職を募集すると発表した。2017年3月期中に実施する。半導体製造用露光装置がグローバル市場で大敗、伝統のカメラ事業も市場が縮小しており、国内従業員の約1割(連結ベース)に当たる人員削減に踏み込まざるを得なくなった。

2017年度を最終とする中期経営計画で売上高9900億円、営業利益650億円との目標を掲げていたが、これを断念する。

「経営の責任を痛感している」

岡昌志副社長は決算会見で、中計断念と大規模な人員削減に踏み切ることについて「経営の責任を痛感している」と述べた。

責任明確化のため、代表取締役と全執行役員を対象に今年度の役員賞与を支給せず、報酬を当面の間、減額する。

一時費用として480億円の特別損失を今期中に計上する見込み。通期純損益は従来予想の300億の黒字から60億円の赤字となる見通しだ。前年度10円だった期末配当は4円に減配の予想。

16年4─9月期連結業績は前年同期比55.9%増の233億円だった。中国で大規模な液晶パネルの増産投資が行われているためで、従来から「特需」(8月の決算会見で岡副社長)と捉えている。

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