折れない人が実践する「嫌な妄想」を絶つ方法 TEDでブレイクした人気セラピストが語る

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その後も数々の実験がおこなわれ、「考えてはいけない」と考えることが一種のリバウンド効果を引き起こすことが明らかになりました。意志の力で考えを抑えつけようとしても難しいのです。

集中できるならば、どんなことでも

『NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法』 (書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします) 

そこで、いちばん効果的なのは気をそらすこと。考えない努力をするのではなく、別のことを考えるのです。

集中できることなら、どんなことでもかまいません。スポーツをやったり、映画を見たりするのも効果的です。携帯に入っている簡単なゲームをやってみたり、地元のスーパーマーケットの陳列順を頭の中で再現してみたりするのもいいでしょう。

時間のあるときにさまざまな気分転換を試してみて、自分に最適な「自分が夢中になれる作業」を探しておきましょう。この気分転換法をたくさん用意しておき、いざ思考のループがはじまったときに試してみまてください。

<気分転換の道具を見つけるエクササイズ>

1. ネガティブな思考のループが起こりやすい場所や状況をすべて書き出す

2. それぞれの場所や状況について、使えそうな気分転換の方法をすべて書き出す。短い時間でできるもの(携帯ゲームやスーパーの陳列順)と、長い時間没頭するもの(スポーツや映画)の両方のリストを作る

3. リストができたら、いつでも見られるように携帯電話やメモに入れて持ち運ぶ。思考のループがはじまったら、かならずリストを確認して気分転換を試してみる

 

いかがでしょう。これらのエクササイズを繰り返すうちに、思考のループが減少していくことと思います。

本書ではこれ以外の手当てについても詳細に解説していますが、これらの手当てをしても効果がみられないほど悪化していたり、強迫性障害やうつ病の症状の可能性がある場合など、専門家の治療が必要な場合もあります。その場合はまずは最寄りの病院に行き、治療が必要かどうかを診断してもらってください。

しかし、適切な日々の心の手当てを知っていれば、ほとんどの心の傷は、悪化するまえに癒やすことができるでしょう。この心の応急処置法が、みなさんのお役に立つことを願っています。

(構成:山岸美夕紀)

ガイ・ウィンチ 心理学者

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がい うぃんち / Guy Winch

心理学者。ニューヨーク大学で臨床心理学の博士号を取得後、セラピストとしてニューヨーク大学メディカルセンターに勤務。その後マンハッタンで開業し、20年以上にわたって心理療法を実践している。講演家としても定評があり、TED トーク「感情にも応急手当が必要な理由」は 370 万回以上(2016年8月時点)視聴され「2015 年で最も人気のトーク」にランクインした。「ハフィントン・ポスト」や心理学誌「サイコロジー・トゥデイ」にブログを寄稿している。他の著書に『The Squeaky Wheel』(未邦訳)がある。

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