30歳バツイチ女医は「カネと男」に困らない 東京カレンダー「新・婚活事情」<13>

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先ほども言った通り、女医は、その気になれば、簡単に結婚することが出来ます。結婚ブームの波を逃さないように、私は身近な医者を結婚相手に選びました。

学生の頃から知っていた、同い年の整形外科医です。実家も開業医で、まぁまぁ裕福な家庭で育った、世間知らずのお坊ちゃん。言ってしまえば、私と同じような出自です。

ちなみに、一般的に婚活市場において、医者は人気が高いですよね。しかし、女医にとっては、医者同士の結婚なんて「超・標準」レベルです。誰に羨まれることも、嫉妬されることもない。

だって、医者同士の結婚は、本当に簡単で、安易な選択だから。私は、それで良かった。医者の仕事は好きだし、お金も自分で十分に稼げる。だから、結婚相手に求めることなんて、特に何もない。敢えて言うなら、「20代で結婚」という、履歴でしょうか。私が求めていたのは、それだけでした。

しかし、晴れて20代で既婚者となり、安心したのも束の間、結婚生活は最悪だった。親が専業主婦だったという元夫は、異様なまでに亭主関白で、仕事を続ける私を、恐ろしいほど束縛したんです。

30歳バツイチの自分は、20代の独身の自分より自由だ

結婚生活を思い出すと、今でも吐き気がします。「既婚者になること」しか頭になかった私は、その後の結婚生活のことまで考えていませんでした。束縛夫との関係は、すぐに破綻。私は半年もたたずに結婚生活に音を上げ、それからは、長い長い離婚協議が始まりました。夫はなかなか同意してくれず、離婚は最終的に、私が慰謝料を払うことで成立しました。

しかし、遠回りして、改めて、やっと掴んだ独身生活を、今は存分に満喫しています。バツのついた医者は周囲に溢れかえっているし、後ろめたい思いは一切ありません。それどころか、30歳でバツイチになった私は、20代の独身の頃の自分よりも、ずっとずっと自由なのです。

もう、無理に周りに流されて、結婚なんて目指さなくていい。恋愛は好きに楽しめるし、「女医ブランド」は、30代を迎えた今も、ちゃんと活きてくれている。

若さに振り回されず、余裕を持って自分のペースで生活を送れる今は、楽しくて仕方がない。再婚は、当面する気はありません。少なくとも、医者はもう懲り懲りです。もしするなら……そうですね。詩人や小説家とか、夢のある人と、一緒になりたい。単純に、楽しそうじゃないですか?今の私には、お金も、世間体も、何も必要ないから。

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