サントリーホールは何が革新的だったのか

日本のクラシック音楽の歴史を変えた

ステージを取り囲むヴィンヤード型の客席が美しい(写真提供:サントリーホール)

クラシック音楽の殿堂として知られるサントリーホール(東京・赤坂)が開館30周年を迎えた。この秋、ホールは祝祭感に満ちあふれ、記念事業となる豪華なコンサートが目白押しだ。

今からさかのぼること30年前の1986年10月12日。ベルリン・フィルハーモニーを率いた故ヘルベルト・フォン・カラヤン氏の協力により東京初のコンサート専用ホールにして「世界一美しい響き」を目指したサントリーホールが、われわれクラシックファンの前に姿を現した。

ホールに初めて足を踏み入れた瞬間の感動は今も忘れられない。見るからに響きの良さそうな空間の中央にそびえ立つ巨大なパイプオルガンやステージを取り囲むヴィンヤード型の客席など、初めて目にするものばかりの新ホールは、その誕生をきっかけに日本のクラシック界を大きく変えていくことになる。

すべてはサントリーホールから始まった

サントリーホールは森ビルが開発したアークヒルズの一施設だ(写真:SUYA / PIXTA)

クラシック専門誌『モーストリー・クラシック』が10年前の2006年5月号の特集で掲げた「すべてはサントリーホールから始まった」というキャッチコピーが秀逸だ。まさに後に続くホールは、そのほとんどがサントリーホールの影響を受けたと言っても過言ではない。日本のクラシック史はいずれ、サントリーホール誕生以前と以後に分けて語られるのではないだろうか。

以来30年。この魅力的な空間で開催されたコンサートの数は1万6500公演超、来場者数は1720万人以上にも及び、今や世界屈指の名ホールとして、世界中の音楽ファンにその名を知られる存在となった。

その当時、サントリーホールの何が新しかったのだろうか。

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