マンション時限爆弾

老朽化にどう対応する

関東大震災の復興事業で建てられた「同潤会上野下アパート」が今年5月、84年の歴史に幕を下ろした。電気、水道、ガスが完備された鉄筋コンクリート造りのこの集合住宅は、当時の市民にとってはまさに羨望の的だった。

時代は移り変わり、分譲マンションはすっかり都会での生活に定着し、今では約600万戸に至る。その中で数々の問題も浮上した。目下直面しているのが、建物の老朽化と住民の高齢化という「二つの老い」だ。

約600万戸のうち、すでに5分の1が築30年以上。今後10年でさらに老朽化
は加速し、全体の3分の1を占める見通しだ。同時に築40年超のマンションでは、60歳以上のみの老人世帯が半数に至るなど、住民の高齢化も進んでいる。

多くのマンションで、管理組合の役員のなり手不足が深刻化しているが、引き受けない最大の理由が「高齢のため」である。管理組合が機能不全となると、管理費や修繕積立金の滞納につながりやすい。今も4割のマンションで管理費の滞納が発生している。そんな環境に嫌気が差して、住民が次々と去り、賃貸化、空室化が進んだ果てには、廊下にゴミがあふれて照明もつかない「スラム化」が待ち受ける──。老朽化したマンションはタイマーがオンになった「時限爆弾」のような存在だ。

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