株価急落で露呈した妖怪アベノミクスの本性 浜矩子がアベノミクスに反対する理由(その2)
株価急落は当然の成り行き
――前回のインタビュー「『アホノミクス』が5つの悲劇を引き起こす!」には大きな反響がありました。また、5月29日に当サイトでマネック証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏が「浜矩子教授はアベノミクスの本質を知らない」と反論。アベノミクスに対する議論が白熱してきました。
はい、議論が白熱するのはいいことですね。
世界恐慌の頃、1930年時代に活躍した女性経済学者にジョーン・ロビンソンという人がいます。この人は大変な毒舌家で有名だったのですが、彼女の数々の名言の中のひとつに、「人々が経済学を学ぶのは出来合いの答えを手に入れるためではない。それはエコノミストたちにだまされないためである」というのがあります。すばらしい言葉ですね。
このページをご覧くださっている皆さんも、立場や論点がさまざまな論者たちの発言をよく吟味していただき、私を含めて誰の言うことも鵜呑みにすることなく、しかしながら誰の言うこともじっくり吟味して、ご自分の判断形成をお進めください。
そうしていただければ、かならずや「妖怪アベノミクス」の正体を見破っていただくことができると思います。
――このところの株価の動きをどう見ますか?
来るべきものが、私でさえ予想外に早く来たという感じですね。当然の成り行きだったと思います。ここまで株価を押し上げて来た買い手筋の行動は、要するに「売るため」の買いだった。要は、買った瞬間から売るタイミングと売る材料を探していたわけです。
そして、ここに来て黒田日銀総裁発言やアジア景気の変調可能性報道などがあり、「そろそろお膳立てが整ったかな」と感じたところで、一気に動いたという感じでしょう。