「青函トンネル」線路保守は、こんなに大変だ

北海道新幹線の安全運行を影で支える

青函トンネル内の保守作業は困難を極める(写真:ぺいさま / PIXTA)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2016年12月号「青函トンネルにおける未明の線路保守を公開」を掲載します。

 

JR北海道は9月27日午前1時から3時ごろにかけて、青函トンネル内における軌道保守作業を報道関係者に公開した。今回の公開は、北海道新幹線の開業を機に三線軌条の特殊性がクローズアップされ、4月から6月の間には計4回、列車が緊急停止する事態も発生していたため、トンネル内の様子と対策の一例を開示するために行われた。

最も短い絶縁区間はわずか42ミリ

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北海道新幹線新中小国信号場(大平分岐部)~木古内(木古内分岐部)間約82キロメートルは、青函トンネル53.85キロメートルを含めて三線軌区間である。新幹線1435ミリメートル軌間と在来線1067ミリメートル軌間の差は368ミリメートルであるが、レールの下にはスラブ等にレールを固定する締結装置があるため、その絶縁離隔はわずか42ミリメートルしかない。4月1日に発生した緊急停止後、鉄道総研との現地調査により軌道部品の一部と見られる金属線が発見されたため、これが絶縁部を短絡してATCの誤動作を招いた可能性も考えられた。一方、一帯に軌道の損傷はなかったため、JR北海道は36キロメートルにわたり清掃作業を行い、トラブルにつながりかねないリスクの排除を強化した。

締結装置の構成部品の1つであり、新幹線専用レールと在来線専用レールの間に仕切りを立てた樹脂製の絶縁板については、仕切り高さ2センチメートルの従来品から6センチメートルのものに交換する作業が順次開始されている。

公開は、北海道側の白符斜坑付近で行われた。青函トンネルには本州側、北海道側ともに3か所の斜坑と1か所の立坑があり、地上と結ばれている。斜坑のうち本州側の竜飛と北海道側の吉岡のものは、それぞれ本坑(青函トンネルの本体)の竜飛定点と吉岡定点につながり、充実した避難施設や自動消火設備、ケーブルカー(ケーブル斜坑)などが設置されている。万が一の列車火災等の際、列車はできる限りトンネル外に走り抜けることが原則だが、長大トンネルのため内部での停止が止むを得ない場合は、この定点に停車させ、避難や消火活動を行う。先進導坑や作業坑ともつながり、強制換気の送風や排水の重要な経路となっている。

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