青函と違う「スイス世界最長トンネル」の実力

旅客・貨物両用でも減速必要なしのワケは?

ゴッタルドベーストンネル(右)へと進入する列車。Re460形電気機関車には開通を祝うラッピングが施されている

6月1日、スイスに青函トンネル(53.9km)を抜いて世界最長となった全長57kmの鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル」が開通した。

西ヨーロッパの中央に位置し、5カ国と国境を接するスイスは、国土の約70%が山間部となっている。なかでも4000m級の険しい山々が東西に連なるスイスアルプス山脈は、ヨーロッパ最大の交通の難所とされてきた。

この難所を南北に超える重要な幹線ルートのひとつが、主要都市のバーゼル、チューリッヒと南部のルガーノを結ぶ「ゴッタルドルート」だ。アルプスを越えて南北を結ぶ従来のゴッタルドトンネルが貫通したのは1880年のことで、134年前の1882年6月1日に営業を開始した。

17年の歳月と1兆円をかけ建設

この路線は、北側がドイツのフランクフルト方面、南側がイタリアのミラノ方面と結ばれ、ヨーロッパの最重要貨物輸送ルートの役割を担っている。貨物輸送量は年間2600万トンにも及び、このうちの約80%はスイスを通過する輸送だ。

そこで、年々増加する通過貨物量に対応する国家プロジェクト「アルプトランジット計画」(NRLA)が1990年代後半に立案され、新たなトンネルの建設が計画された。

工事は1999年に始まり、総額122億スイスフラン(約1兆3570億円)の国家予算が投入され、17年の歳月を費やして完成した。開通式典でスイスのシュナイダー・アマン大統領は「トンネル開業は欧州の経済と人を一つに結ぶ」とあいさつ。ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領、イタリアのレンツィ首相も駆けつけ、共に祝賀列車に乗車するなど盛大なセレモニーが行われた。

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