好調スターバックス、次なる狙いは郊外客 外食大手の低迷を尻目に連続で最高益を更新

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ドリップコーヒーで300円からと決して安くはないが、米国流のおしゃれで居心地のいい店作りがあらためて見直されているのだ。無料で使える無線LANの設置や一人席を増やすなどしていることで、ビジネス客も多く取り込んでいる。

もちろん、それだけではない。売り上げを牽引しているのが、コーヒーや果汁をミックスした氷菓飲料であるフラペチーノだ。昨年夏に販売したプリン入りのマンゴーパッションティーフラペチーノは、もともと期間限定商品だったが、人気に火がつき、予定よりも早く完売した。

また、冬場でもチョコレートブラウニーやさくらホワイトチョコといった新商品を投入。暖房が効いているショッピングセンターなどで売り上げを伸ばしている。

フラペチーノは400円以上とドリップコーヒーよりも単価が高く採算がよい。競合他社からは「スタバはコーヒーを売っていない」とやっかむ声も上がる。

ドライブスルーで攻勢

スタバはこれまで都市部を中心に出店してきたが、さらなる成長へ向けて、今後は郊外へと軸足を移す。大きな成長の柱として見込むのが、前期から本格的な出店を始めたドライブスルーを併設した大型店だ。

足元の販売は好調で、スタバの平均的な店舗の年間売上高が1億円程度なのに対し、ドライブスルーの店舗は3割程度売り上げが高い。売り上げに占めるドライブスルーでの持ち帰り比率は4~5割に上るという。4月には、新しい業態の店を住宅地へ実験的に出店。スタバでは初のアルコールを提供するなど、着々と布石を打っている。

ただし、ライバルたちも黙っていない。全国に約500店を展開する名古屋発祥のコメダコーヒーが郊外でも勢力を拡大しているほか、ドトール・日レスホールディングスは「星乃珈琲」という新しい業態を開発し、今期は30店を出店する計画だ。ほかにも、セブン-イレブンやローソンなど大手コンビニエンスストアがいれたてコーヒーの販売を強化している。

はたして、スタバの勢いはどこまで続くのか。競合ひしめく中、熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。

(撮影:梅谷 秀司)

(週刊東洋経済2013年6月1日号)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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