ユニクロ顔負け、急成長するジーユーの秘訣 日本発ファストファッションは化けるのか?
「売上高1兆円企業になる。ジーユーは普通の会社では終わらない」。10月13日、ファーストリテイリングの2016年8月期決算会見でGU(ジーユー)の柚木治(ゆのきおさむ)社長はこう宣言した。くしくも同日は、ジーユーブランドを立ち上げてからちょうど10年の節目だった。
ファーストリテイリングの2016年8月期決算は、営業利益が前期比22.6%減の1272億円と大幅な減益に終わった。天候不順や価格戦略の失敗により国内のユニクロ事業が減速したことが一つの要因。その中で目立ったのが、ジーユーの成長だ。女性向けトレンド商品が好調に推移し、同期の売上高は1878億円(前年比32.7%増)、営業利益で222億円(同34.8%増)に達した。
「まずは売上高3000億円。そして今後10年でブランドと会社をすべて作りかえ、売上高1兆円を目指す」(柚木社長)。国内ユニクロ事業が伸び悩むファーストリテイリングにとって、グループの成長戦略としてもジーユーは欠かせない存在になりつつある。
低価格の「最旬リアルファッション」
ジーユーは10年前、ダイエー南行徳店(千葉県)に初出店した。それ以降、順調に成長を続けてきたように見えるが、品ぞろえは大きく変貌している。ブランド立ち上げ当初、ジーユーはどちらかというとファミリー向けの小型店だった。価格はユニクロの7割に設定。しかしユニクロの週末セール価格とかぶってしまうなど、商品政策は迷走した。
転機になったのは2009年、「990円ジーンズ」の大ヒットだ。ユニクロの半額以下の低価格を実現し、約100万本を売り切った。その後、若者ファッションを重視した戦略に切り替え、10代や20代の女性を中心に人気に火がついた。創業8年目の2014年8月期には1000億円を突破。2015年春に投入した「ガウチョパンツ」(裾の広がる七分丈のパンツ)は40代や50代の女性にも支持を受け、わずか発売2カ月で販売本数300万本を記録した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら