SMAPの世界観を崩したジャニーズへの失望

優れた表現への尊敬があっただけに

SMAPがジャニーズ事務所にいなかったら、これだけ有名になれていたのでしょうか?
前回に引き続き、『SMAPは終わらない』(垣内出版)の著者であり、気鋭の評論家として注目を集める矢野利裕氏との対談をお届けする。
今回はSMAP解散における批判が集まっているジャニーズ事務所についても、徹底的に議論してみた。

 

前編:「SMAP解散」に見えた芸能人という名の労働者

あの人がくれたもの

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常見 陽平(以下、常見):もしSMAPの5人がジャニーズ事務所にいなかったら、これだけ有名になれていたのでしょうか。

矢野 利裕(以下、矢野):難しいですね。SMAPが唯一無二なのは、アイドルの中では自由だけれど、やっぱりアイドルであるという両義性があるからです。その両義性は、ジャニーズアイドルをやることで、保たれていたところもある。もしかしたら、木村(拓哉)君は俳優だけやり、中居(正広)君は歌わずにバックダンサー……好きなこと・得意なことだけをやっていたら、そんな形になっていたかもしれません。

ですがSMAPが人気を得るためには、いつもバラバラな5人がステージの上で一緒に踊ったり歌ったりすることが大事だった。アイドル性がないと、SMAPの強度も発揮されないのです。それを舞台に上げ続けたのは、ジャニーズの歴史があるから。彼らが売れたのは、歌や踊りが上手いから、あるいは、親しみやすいから、という単純な話ではないでしょう。

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