日立、はるか先を走る「鉄道3強」超えの秘策

ベルリンの見本市で東原敏昭社長が激白

多くの来場者でにぎわう鉄道見本市イノトランスの日立のブース(記者撮影)

9月20~23日にドイツ・ベルリンで開催された世界最大の鉄道見本市イノトランス。屋外にずらりと並ぶ本物の鉄道車両が見本市の華だとすれば、シーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)、ボンバルディア(本社カナダ、鉄道の本拠はドイツ)といった“ビッグスリー”の屋内展示ブースはさながら社交場だ。足の踏み場がなくなるほど多くの来場者がブースを訪れ、ワインやビール片手にビジネス談義に花を咲かせる。

その”欧州倶楽部“に仲間入りを果たしたのが日立製作所だ。日立のブースはシーメンスと通路をはさんで隣り合わせ。訪れる人の数もシーメンスにひけをとらない。これまで日本企業のブースといえば、来場客はまばらで、所在なげにしているスタッフの姿が印象的だったが、今回の日立のブースはまるで外国企業のような活気に満ちていた。

小さなブースから出発

日立は2015年11月にイタリアの航空・防衛大手・フィンメカニカから鉄道車両中堅・アンサルドブレダと信号システム大手・アンサルドSTSの2社を買収、鉄道事業の売上高をそれまでの1674億円から3526億円に倍増させた。過去のイノトランスではアンサルドブレダとアンサルドSTSもそれぞれブースを構えていたので、出展規模が大きくなるのもある意味当然だ。

「12年前、私が日立に入社して初めてイノトランスに出展したときは、他の日本企業との共同出展で、小さいブースだった」。感慨深げに語るのは日立の鉄道部門を率いるアリステア・ドーマー氏である。アルストムを経て2003年に日立の欧州現地法人に入社、2016年には日立に9人いる執行役専務の1人に上り詰めた。日立の執行役専務で外国人はドーマー氏1人だけだ。

日立の鉄道事業が海外で大きく羽ばたくことになったきっかけは、英国の高速新線・CTRLの受注である。実現に向け尽力したのがドーマー氏だった。その後、やはり英国の総額1兆円規模の都市間高速鉄道プロジェクト(IEP)を受注するなど、ドーマー氏が率いる日立の鉄道事業の快進撃は止まらない。

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