東洋経済オンラインは上場企業約3600社を対象に各社の30歳社員の年収を推計。全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。
30歳は企業人としてはまだまだ若手に位置づけられ、超高給プレーヤーはごく一部の企業に限られるが、個別に見ていくと格差もある。これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」の30歳年収ランキングを紹介してきたが、第3弾として近畿地方の2府4県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)に本社を置く583社のランキングを公開する。7月に配信した「40歳年収『近畿地方591社』ランキング」の30歳年収版となる。
『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が近畿地方となっている会社のうち、単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は除き、集計した。各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
1位キーエンスの30歳年収は1546万円とダントツ
「40歳年収『近畿地方591社』ランキング」と同じく1位はキーエンスの1546万円。全国的にも知られる超高給企業で、FAセンサーが主力のメーカーだ。平均年収は1777万円(平均年齢36.1歳)と近畿圏ではダントツに高い。
2位は日本商業開発の1233万円。大阪市中央区に本社を置き、テナントによる商業施設開発を前提として底地取得、売却益を得るビジネスを展開している。ここ最近の成長は著しく、将来の幹部候補として優秀な人材を確保するため、50万円の初任給を設定している。平均年収は1741万円(平均年齢44.7歳)だ。以下、3位伊藤忠商事(30歳推計年収1030万円)、4位朝日放送(同1021万円)が続く。1000万円超はこの4社に限られた。
集計対象企業を単純平均すると30歳推計年収は471万円、平均年収は590万円、平均年齢は40.1歳だった。なお、30歳推計年収はあくまで公表データからの試算のため、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の本当の実態と乖離がある場合もありうる点には注意していただきたい。