経済改革へ本腰、北朝鮮が変動相場制を導入 外資導入やインフレ退治狙い、金正恩第1書記が決断?
北朝鮮が今年3月末ごろから、自国通貨ウォンと外貨との「変動相場制」を開始したようだ。韓国に住む北朝鮮経済の事情に詳しい複数の者の証言で確認した。ある事情通は「既存の公定レートではなく、市場など実際のレートに合わせた変動相場制を適用する一方、すべての企業所や政府関係をはじめとする機関が外貨口座を開設せよとの指示が出ている」と指摘、北朝鮮が本格的な経済改善措置に着手したようだ。
個人や企業・機関に「外貨口座」の開設も指示
これに先立ち、北朝鮮は3月31日に開催された朝鮮労働党中央委員会全員会議や4月1日の最高人民会議の場で、経済建設と核武力の建設の両方を推進する「併進路線」を展開することを定め、内閣の首相に経済通として知られる朴奉珠(パク・ポンジュ)氏を任命するなど、経済状況の改善に意欲を示していた。
北朝鮮では現在、公定レートでは自国通貨と米ドルを銀行の窓口で1対100で交換されることになっているが、実際には1ドル=5800ウォン以上で取引されるなど、公定レートとの差が広がっている。そのため、経済強化のための外資誘致に支障を来すと同時に、物価の上昇が慢性的な状態になっていた。
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