モスバーガー、「マック値上げ」に逆張り 価格据え置き、牛肉100%へ変更も

拡大
縮小

業績面では停滞色強いモス、主力品刷新の効果は

もっとも、ライバル・日本マクドナルドの業績も不振であるとはいえ、モスフードも業績の停滞色が強い。前2013年3月期は天候不順やマーケティングキャンペーンがなかなかヒットせず、2年連続の既存店前年割れに沈んだ。

モスフードでは前期決算について5月10日に開示する予定だが、2期連続の減益決算となる可能性が高い。

また、店舗数(直営、フランチャイズの合計)についても、日本マクドナルドが2012年12月期末時点で3280店なのに対し、モスは13年3月期末で1431店。その差は歴然だ。チェーン全体の売上高もマクドナルドがこの10年間で売り上げを1000億円以上も伸ばし5000億円を超えたが、モスはこの10年間、ほぼ1000億円前後にとどまってきた。

モスは今2014年3月期には、定番商品のリニューアル以外にも、デザートメニュー数を増やすことに加え、早朝営業店舗を拡大し、朝食需要の取り込みも進める。出店についても前期の45店から、今期は2倍近い出店を計画。ここ数年の業績低迷と決別を図る構えだ。

櫻田社長は「モスのお客様はほかの外食チェーンとは違う」と意気込むが、果たして思いは顧客に届くのか。今回の商品リニューアルがその試金石となる。
 

松浦 大 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT