小僧寿し大リストラ、社員も直営店も4割減 社長就任後1年で誤算
持ち帰りずし大手、小僧寿しの業績不振が続いている。2012年12月期は売上高202億円(前期比1.0%減)、営業損益も上場以来最悪となる6.4億円の赤字(前期は1.4億円の赤字)を計上、3期連続の営業赤字に沈んだ。
昨年2月に、当時の親会社だったすかいらーくから小僧寿しを買い取り、社長に就任した木村育生氏(下写真)は「1年で立て直すのは容易ではなかった。深く反省している」と決算説明会の場でコメントした。
当初は「売り上げを伸ばせば、利益は黒字化するので、リストラや店舗閉鎖の必要がない」としていた木村社長。しかし1年が過ぎてみれば上場以来、過去最悪の営業損失を計上し、従業員の希望退職や大規模な店舗閉鎖などの施策を迫られた。東洋経済の取材に対し、木村社長は「私がいちばん損な役割だ」と漏らしている。
過去最悪の営業赤字で大規模リストラに踏み切る
営業赤字が過去最悪を記録したのは、木村社長が就任以来進めてきた、宣伝広告費大量投入と安売り路線が結果的に戦略ミスとなったことが原因だ。当初1億~2億円程度の赤字なら、「少し売り上げを伸ばせば、増収効果で吸収できると考えていた」(木村社長)という。その考えの下、小僧寿しは低価格商品の開発やテレビCMの投入、携帯クーポン会員の募集などさまざまな施策を進めた。
が、その結果、客単価が下落したうえに、テレビCMを投入したことで広告宣伝費がかさんだ。書き入れ時の12月も安売り路線を踏襲したことや、主要食材である米価が高騰したことも業績を圧迫。過去最悪の営業赤字を計上した。
業績不振を受けて小僧寿しが選んだのは、過去にない大規模なリストラだ。会社が募集した希望退職に、正社員169人中、約4割の66人が応募し2月末で退職する。直営店も低収益店を中心に50店以上を閉店。持ち帰りずしと相乗効果の薄い、宅配ずし「札幌海鮮丸」(2012年12月期の売上高43億円、北海道中心に71店舗を展開)を売却する。13店を展開する回転ずし「活鮮」についても、木村社長は数年内に売却する可能性を示唆している。
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