都心に続々誕生!「ものづくり拠点」の正体 「DMM.make AKIBA」を知っていますか?

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DMM.make AKIBAのBaseと呼ばれるシェアスペース

Baseと呼ばれる12階の広いシェアスペースでは、カフェも併設し、常に若手からベテランまで、スタートアップやものづくり好きの人たちでにぎわっています。また、個別オフィスも整備しており、入居企業には、Cerevo (IoT家電)、Exiii(筋電義手)、FOVE(VRゴーグル)、ABBALab(ものづくりスタートアップ支援・投資)など気鋭の面々が名を連ねます。キョウデンやシャープなどパートナー企業もここでのものづくりを応援しています。

DMM.com社長でDMM.makeの社長でもある松栄立也さんは次のように語ります。「若い人が集まるよう見せ方や雰囲気を最大限工夫しているのです。若者へのスカラーシップ制度も準備。おじさんスタートアップが大学生の技術者を応援したり、大企業の人がこっそり新プロジェクトをベンチャーと立ち上げたり、面白いことが起こっています。われわれとしては、ここで儲けるつもりはありません。ものづくりの世界観を広げたいと思っています」。

渋谷道玄坂のカフェで「ものづくり」

FabCafeのエントランス

次に紹介するのが、FabCafeです。渋谷の道玄坂を上って少し歩いたところに、そのカフェはあります。個性的な寄せ木のエントランスとガラス越しに木製のカウンターとテーブルが見えます。中に入るとコーヒーの香り。語り合う若者、PCをのぞき込んで考える人、ほぼ満席の状況。バリスタの国内チャンピオンを生みだすほど、カフェにも力を入れているそうです。

都会的でスタイリッシュな雰囲気のカフェ。しかし、なぜか店内には、レーザーカッター、3Dプリンタ、特殊印刷機が配置されています。FabCafeは「デジタルものづくりカフェ」です。「アイデアを出す。エンパワーする。ものづくりを始める。そんなコミュニティの拠点を作りたかったのです」(カフェを運営するロフトワークの林千晶代表)。

FabCafeに置かれている3Dプリンタ

ロフトワークは「クリエイティブの流通」をミッションに2000年に創業、商品企画やウエブサービス、デザインサービスを提供しています。2012年から、「クリエーターが毎日訪れ、誰でもカジュアルに参加できる」空間として、カフェをオープン。渋谷界隈のものづくりの拠点にしています。

カフェの2階には、作業スペースとミーティングスペース。バイオ関係の研究室も準備中です。モデリングのワークショップや交流会の開催も盛んです。ミニ四駆のデザイン、製作、レース大会では、自動車メーカーのデザイナーや模型マニアはじめ大人と子どもが一緒になって、ものづくりを楽しんでいます。国内では、飛騨にもオフィスがあり、海外では、台北、バンコク、バルセロナ、トゥールーズに支店を持ちます。

次に紹介するのが、TechShop Tokyo。このものづくり拠点は、赤坂のアークヒルズのレストランスペースの奥にあります。2006年に米国で創業し世界中で会員制工房を展開するTechShopと富士通が協力して「誰もがアイデアをカタチにできるDIY工房」を設立。赤坂という土地柄からは考えられない1200㎡の広大なフロアーを使って、3Dプリンタ、レーザーカッターを始め木工、金属加工、テキスタイル、電子工作など50種類以上の本格的な設備をそろえています。

次ページなぜ都心部にものづくり拠点を作るのか?
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