いよいよ1ドル100円超時代がやってくる あのソロス氏も予言、円は雪崩を打って下落するのか?

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みずほ証券によると、1995年以降、今回を除いて、円高から円安へ大きく転換をとげたのは3回。1)1回目は阪神・淡路大震災のあった95年。この年の4月の79円75銭から、41カ月も円安ドル高が続いた。

円の中期での下値メドは、1ドル107円から109円

このときの円は、安値1ドル147円66銭まで、なんと約85.2%も下落した。下落幅は約68円。2)2回目はITバブル時の99年11月から27カ月(円の高値は101円25銭、安値135円20銭、33.5%下落。下落幅は約34円)。3)3回目は小泉純一郎政権時の2005年1月から30カ月(円の高値は101円67銭、安値は124円14銭、22.1%下落。下落幅は約22円)だ。

今回の円安局面を数字で比べてみると、たとえば小泉政権時の円安よりも、「短期間」(18カ月弱)で同程度の値幅分下落するなど、かなりの勢いがあることがわかる。仮に過去3回の下落時の中で、最も短かった2)のケースでも27カ月続いており、「円安の期間」「値幅」あるいは円の下落率も、一段と長く、大きなものになる可能性がある。仮に2)の下落幅34円を今回にあてはめると、円は109円台まで下落することになる。

また、同証券のシニアテクニカルアナリスト三浦豊氏は「ドル円レートを分析する場合は20年移動平均線がひとつのポイント」と語る。現在のドル円の20年移動平均線は約107円であり、前出の109円台ともほぼ一致することになる。3年8カ月ぶりの安値をつけ、いよいよ1ドル100円が視界に入ったドル円だが、過去のテクニカル分析から見ると、100円どころか、もう一段の円安を見ておく必要がありそうだ。

福井 純 東洋経済 記者

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ふくい じゅん / Jun Fukui

「会社四季報オンライン」編集部長。『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報プロ500』『株式ウイークリー』『オール投資』編集長、「東洋経済オンライン」編集部長、証券部長を経て現職。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)、日本テクニカルアナリスト協会理事

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