「2代目社長」に批判が集まりがちな根本要因 タレントも経営者も陥る「甘え」とその脱却法

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将来の道が約束されているからこそ、周りの目も厳しくなります(写真:Ushico / PIXTA)

ホテルの女性従業員に乱暴したとの疑いで、俳優、高畑裕太容疑者が逮捕された。高畑容疑者の母は、有名女優の高畑淳子氏。高畑容疑者は、いわゆる2世タレントであったため、本人に対しては、「七光りを自分の実力と勘違いした」「常識が備わっていない」などという批判が一部でなされている。

身内が社長になるメリット、デメリットとは

「2世だから」という批判がなされがちなのは、タレントばかりではない。私が身を置く、中小企業経営の世界でも、とかく創業者の子である「2代目」は批判にさらされがちだ。

2代目は多くの場合、能力もないのに早くから役職につき、一般社員より給与も高い。だから古参幹部から、やれ「苦労知らずのぼんぼん」だの「血がつながっているだけで社長になった」だのと、陰口をたたかれ、少しのミスでも批判されがちになる。

私は、社長なので親の立場にあるわけだが、中小企業の後継者問題がうまくいかない最大の原因は親子間の「甘えの構造」にあると考えている。社長が陥りがちな人への甘さとその対処法については、拙著『社長、あなたは人に甘すぎる!』でも詳しく述べているが、本稿では、後継者を甘やかさない、経営者の在り方に触れてみたい。

小さな会社の後継者はだいたい身内である。身内の良い面、悪い面は、次のように混在していると言っていい。

【メリット】
・社長をはじめ内外の関係者が心情的に受け入れやすい
・後継者を早期に決定し、教育等のための準備期間を確保できる
・金融機関が貸したおカネが保全されるから支援を受けやすい
【デメリット】
・経営能力と意欲があるとは限らない
・古参の社員とうまくいかないことがある
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