スマホゲーム業界を救う「再生工場」とは? マザーズ上場マイネットはゲーム買収で稼ぐ

拡大
縮小
グリーから「戦乱のサムライキングダム」を買収。今後も大手からのゲーム買収は増えそうだ

「スマホゲーム市場はまだ伸びてはいるが、競争激化で寡占が進んでいる。その中で撤退する事業者の問題解決をしていく」

昨年末に東証マザーズに上場したゲーム運営会社のマイネット。上原仁社長は、今年2月に開いた初めての決算説明会でこう力を込めた。

マイネットはただのゲーム運営会社ではない。上原社長が語る「問題解決」とは、期待ほどのヒットにならなかったり、収益性が低下した他社のゲームをマイネットが買い取るか、共同運営してサービスを継続することだ。ゲームの再活性化に成功し課金が増えれば、収益につながる。言ってみれば、他社が扱いに困っているゲームを引き取り、新たな鉱脈へと再生させる、スマホゲーム業界の「再生工場」なのだ。

成熟化が進むスマホゲーム業界

ゲームを売却する企業にとっても、大きなメリットがある。まだ遊ぶユーザーが一定数いるゲームのサービス終了を回避すると同時に、運用していた人材をほかの事業や新作ゲームに振り向けられるからだ。マイネットはこれまで、グミの「ドラゴンジェネシス」やグリーの「ドリランド 魔王軍vs勇者!」などを買収している。

マイネットの事業が成り立つのは、スマホゲーム業界の厳しい環境があるからだ。スマホゲームではガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」とミクシィの「モンスターストライク」が長く2強と呼ばれてきた。

両タイトル以外でも、スマホゲーム配信のプラットフォームである、米アップルの「アップストア」と米グーグルの「グーグルプレイ」の売上ランキングでは上位ゲームの顔ぶれが固定化。米ナイアンティックなどが手掛ける「ポケモンGO」のような例外もあるが、全体としては新作ゲームのヒット率は落ち込んでいるのだ。

次ページとにかく厳しいスマホゲーム業界
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT