ソフトバンクは、本当に”つながりにくい”か 改善ぶりを懸命にアピール、その根拠とは

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「ソフトバンクの電波は悪いというイメージが定着している。これは実際、私達が長年にわたって改善できなかったためだ。しかし、その状況も変わってきた」。

3月21日、ソフトバンクが東京都内で開いた「モバイルネットワークに関する説明会」で、孫正義社長はこう切り出した。

ソフトバンクが、いま最も躍起になっているのが、孫社長がみずから言及するほど、もはや世間一般的には定着した感すらある「ソフトバンクはつながりにくい」イメージの払拭だ。今年1月に開かれた第3四半期決算発表の場でも、電波状況に関する調査結果を公表するなど懸命にアピールしている。

第三者調査でドコモ、auを上回る

この日の「モバイルネットワークに関する説明会」でも、孫社長は重ねて電波状況の改善ぶりをアピールした。孫社長は、音声通話の接続率、パケット通信の接続率(ヤフーの防災速報アプリなどを利用)ともに、第三者による調査でNTTドコモ、KDDI(au)を上回る結果を残したと説明した。ソフトバンクは昨年7月25日に900メガヘルツ(MHz)帯「プラチナバンド」のサービスを開始して以来、計画以上のペースで基地局建設を推進。今月末には2万局(計画では1万6000局)程度になるという。

さらに、都心部では狭い範囲に基地局を配置していく「小セル化」を進めてきたことや、他社に先駆けて公衆Wi-Fiスポットを45万件と精力的に広げてきたこと。個人宅にもWi-Fiルーターを配布するなど多方面で対策を進めてきた。その結果、通信速度や「パケ詰まり」(携帯の画面に電波を示すバーが立っていても、ウェブページが開けない状態)のなどの状況も他社より大きく改善できているとした。

次ページ調査結果には若干の疑念も…
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