293.6億円――「くまモン」利用商品の売上高 《気になる数字》 熊本県のPRキャラクター効果は?

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3月12日生まれ、全身真っ黒で赤いほっぺ。とぼけた表情だが、熊本県営業部長の肩書を持ち、今や全国区の人気者、といえば誰のことかおわかりだろうか。答えは、熊本県のPRキャラクター、「くまモン」だ。ご当地ゆるキャラの中でも圧倒的人気を誇る。

この「くまモン」を利用した商品の売上高が、2012年の1年間に293.6億円に達したと熊本県は発表した。11年が25.5億円だったことから、11倍以上に増えたことになる。これは、民間企業・団体2112業者を対象に行った調査を集計したものだが、有効回答率が55%だったことから、実際の売上高はこの数字をさらに上回るものとみられる。

もともと九州新幹線全面開業PRのため誕生した「くまモン」は、熊本県内だけでなく県外でも積極的に展開された結果、11年の「ゆるキャラグランプリ」で1位となり、人気を不動のものとした。

商品に「くまモン」を使用したい場合は、熊本県に申請する。許可されれば、無料で使用できるとのことだ。人気の拡大とともに利用申請も増加し、今年1月末時点での利用許諾件数は8200件に及んでいる。

今や地域振興の重要な役割を期待されているゆるキャラは、全国で1000種類以上といわれる。ただ、成功例はそれほど多くはない。各自治体は第2の「くまモン」を狙い、キャラクター戦略に力を入れている。

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(データ事業局・加藤千明=週刊東洋経済2013年3月23日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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