夏のプールは「季節限定の満員電車」と考えよ

痴漢や盗撮マニアの「主戦場」となっている

21日、女性客が切りつけられた事件の状況を説明する東京サマーランドの小室裕貴第一事業部長(右)と井上博志社長(中央)(写真:読売新聞/アフロ)

大型レジャー施設「東京サマーランド」(東京・あきる野市)で今月21日、女性9人が切りつけられケガをする事件が発生した。子どもも大人も夢中になれる同施設。当日は最高気温が34度近くまでのぼり、冷たい水はさぞかし心地よかったと思われる。そんな夏らしい1日を謳歌していただろう10~20代の女性が、突然襲われた。犯人が特定されないなか、同施設は当日、翌日と通常どおり営業したため批判が殺到。それを受けて23日から休園していたが、新たな安全対策が整ったとして、26日から営業を再開している。

HPで公開された「お客様に安心して楽しんでいただくために」と題されたリリースによると

①すべての来場客に対する手荷物検査の実施(危険物・凶器所持の確認)
②事件があったコバルトビーチでの利用人数制限、「波」の中止
③監視員によるプール内(水中)のパトロール
④防犯カメラの増設
⑤警備員の増員

 

これらが具体的な「安全対策」ということらしい。コバルトビーチの「波」というのは、人工的な波を1時間おきに出る約3分間起こすというもので、今回の事件はまさにそのタイミングを狙ったものだった。

しかし、一部報道によると、以前から同施設プール内では痴漢が多く、入場制限を行うよう警察からの要請もあったが、同施設はそれには従わず、「警備員の増員」「防犯カメラの設置」のみで対応したという。その効果もなく事件が起き、ようやく「入場制限」の実施に踏み切ったわけだが、これは事件の再発防止に有効なのだろうか?

東京・榎本クリニックで性犯罪加害者の再犯防止プログラムに注力する斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)は、「犯人の詳細がわからず、今回の事件を性犯罪と断定することはできませんが…」と前置きしたうえで、「人であふれる夏のプール施設は、そもそも痴漢の温床です」と言い切る。

「ニュースで事件が起きたプールの映像を見ましたが、まさに芋を洗うようでした。ここに限らず夏のレジャーとして人気のプールは、“季節限定の満員電車”のようなもの。女性たちは水着姿で露出が高いし、これだけ人がひしめきあっていると水面下でちょっと触られたぐらいではそれが痴漢かどうかもわからず騒がれる可能性も低い……痴漢にとっては格好の場なんです」(斉藤氏)

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