喜劇役者が主役を演じるイタリアの悲劇 景気・経済観測(欧州)

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ギリシャ国民は昨年6月の再選挙でユーロ離脱も辞さないとする急進左派連合(SYRIZA)に政権を委ねることを思いとどまった。ユーロ懐疑論がはびこるイタリア国民にこうした抑止効果が働くかには一抹の不安を覚える。ユーロ圏で第3位の経済規模を誇るイタリアでユーロ離脱危機が持ち上がれば、市場の動揺は避けられない。

一躍“時の人”となったグリッロ氏だが、自身は過去の犯罪歴もあって今回の選挙戦には出馬していない。選挙によって選ばれていないグリッロ氏の発言がイタリア政局ばかりか、ユーロ危機の行方をも左右しかねないわけだ。喜劇役者が演じるこの悲劇を、ローマの先人達はどのように見つめているのだろうか。
 

田中 理 第一生命経済研究所 主席エコノミスト

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たなか おさむ / Osamu Tanaka

慶応義塾大学卒。青山学院大学修士(経済学)、米バージニア大学修士(経済学・統計学)。日本総合研究所、日本経済研究センター、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)にて日、米、欧の経済分析を担当。2009年11月から第一生命経済研究所にて主に欧州経済を担当。

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