「ウマミバーガー」日本上陸が遅れている理由 日本語がルーツの米国発グルメバーガー
メディロス氏は4年前に初めて食べたウマミバーガーの味に感動して以来、オファーを続けてきた。先方からのレスポンスがやっとあったのが2年前。本国で知名度の高いウマミバーガーには、すでに海外からのオファーが多数来ていたのだという。「ウマミのルーツである日本を海外1号にしたい」という創業者のアダム・フライシュマン氏の意向が強かったため、他国からのオファーはひとまずストップしている状態だ。
また「経験がないわれわれが契約できたのは、熱意が通じた結果」とも、メディロス氏は考えているそうだ。これは日米のハーフであり、日本で生まれ育ったというメディロス氏自身のルーツとも関係する。
「日本のよいところと米国のよいところを掛け合わせて、よいものを作りあげたいという思いがありました。また、“ウマミ”という日本人が提唱した味覚が世界で愛されていることを誇りに思ってほしい、あらためて多くの日本人に“ウマミ”のことを知っていただきたいと思いました。ウマミバーガーはまさに、その思いを実現する存在だったのです。また私は、ウマミバーガーを通じ日本人が気づいていない日本のよさを、日本の皆さんに知ってもらいたいと考えています」(メディロス社長)
日本語「ウマミ」は世界共通語
ウマミ、カラオケ、エモジ(絵文字)など、世界共通語となっている日本語は数多い。ウマミは中でも、日本人の食へのこだわり、舌(味覚)の鋭敏さが表現されている言葉だ。日本人自身にも、そのすばらしさに気づいてほしいというのがメディロス氏の意図だそうだ。
創業者のフライシュマン氏も、日本文化である「ウマミ」にほれ込んだひとり。同店を創業した2009年は、リーマンショック直後だった。高いものが売れにくくなる世情の中、「ステーキに代わるリーズナブルなもの」として考えた結果、ハンバーガーに行き着いた。また「ウマミ」に着目したのは、もともとワインの卸業を経験しており、自身も鋭い舌の持ち主だったことが大きい。自宅の小さなキッチンで、日本食スーパーで購入した出汁、昆布などのうま味食材を用いて、ウマミバーガーの味を作り上げたのだそうだ。
では、うま味のあるハンバーガーとはどんな味なのだろうか? 残念ながら日本上陸前の今は、本国に行かなければ味わえないが、メディロス氏は次のように表現する。
「ハンバーガーの概念をくつがえすような味です。まず、その軽さに驚くと思います。170グラムの肉を使ったパテで、赤身の肉ですがもちろん脂身も入っています。しかし、中身がギュッと詰まった重い感じはなく、ふわっとしています。私は小食でご飯は茶碗1杯でお腹がいっぱいになりますが、ウマミバーガーを初めて食べたとき2個食べられました」(メディロス社長)
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