エステーvs.小林製薬、消臭芳香剤で火花

ミゲル効果?「消臭力」がトップの「消臭元」を猛追

「ショウ~シュウ~リキ~~♪」

ポルトガル・リスボンの街並みを背景に、少年「ミゲル」が熱唱する。エステーが消臭芳香剤「消臭力」の拡販を狙って展開してきたテレビCMシリーズだ。だが、ふと考えてみてほしい。このテレビCM、消臭力の商品についての詳しい説明は、まったくない。何とも不思議だが、この特徴的な宣伝手法が消臭芳香剤市場に、変化を与えている。

消臭芳香剤の市場規模は年間540億円程度。昨今の“香りブーム”も追い風に堅調だ。新年度を控えた今の時期は、各社の新製品が相次いで登場する春商戦のまっただ中でもある。

小林製薬がトップを走る

この市場ではトイレ用、玄関用など豊富な種類をそろえる小林製薬とエステーが“2強”として君臨。小林製薬がトップを守り、エステーは2番手だが、ここへ来てその差が縮まりつつある。直近で2社が集計を公表している12年4~12月の消臭剤売上高は、小林製薬が前年同期比横ばいの245億円、一方、エステーは165億円と大きさそのものは劣るが、前年同期比でみれば3.5%増とシェアを拡大しているのだ。

特に明暗を分けているのは、両者の基幹ブランド。小林製薬「消臭元」の売上高は11年初から頭打ち状態にあるのに対し、エステーの「消臭力」はここ2年、毎年2割前後の成長を遂げている。流通チェーンによっては、エステー「消臭力」が単月売上高でトップに立つ例も出てきている。

洗濯用洗剤、歯磨きなどとは異なり、消臭芳香剤の機能を明確に差別化するのは難しい。実際、小林製薬とエステーの商品も、価格帯や見た目、機能などで似通った点が多い。では、なぜ2社のシェアが縮まりつつあるのか。実は意外なキーワードがある。東日本大震災。震災を経て明確に分かれた、両社の広告宣伝戦略が背景にある。

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