「記憶力日本一の男」流、忘れない力の鍛錬法 脳が「覚えやすい形」に情報を加工してみよう

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鬼頭:池田さんは今も塾を経営なさっていますが、子どもたちにも記憶術を教えていますか?

池田:気分転換、遊び程度に教えますが、そこまでバリバリは教えていないですね。

鬼頭:なぜですか?

池田:僕がやっている記憶術は、あくまで「技術」です。教育心理学者のピアジェによると、小学校高学年ぐらいから脳は論理的な思考や記憶ができるようになるそうです。一方でそれまでの子どもの脳は、物事そのままを覚えられる。だから小学校2年生で掛け算九九を覚えさせることは理にかなっていると言えますね。

その時期はまさに、感受性を育てるべき時期でしょう。小さい子どもであれば親が絵本を読み聞かせてやったり、いろいろな場所に旅行に連れて行ったり、感受性を高める生活をしたほうが、後の記憶力という面でいいような気がします。思考の仕組みが変わってくる小学校高学年~中学生になって、その感受性の下地を生かして、初めて記憶術が有効になるはずです。

鬼頭:感受性のある生活、いいですね。

池田:大人になってからも感受性は大事です。自分自身、記憶術を始めてから色んな人に出会い、新たな刺激をもらって、精神的に豊かになりました。こういう感受性は、人生においても脳においても、最も必要なことだと感じています。

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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